このリリースの特徴の1つはマウスを使って操作するグラフィカルなインストールプログラムですが、テキストモードにしてキーボードを使ってインストールすることもできます。この章では、テキストモードインストールプログラムの使い方を簡単に説明します。はじめに、いくつか注意点を述べます。
Linuxを初めてインストールする方は、まずChapter 4を見てください。おもに、グラフィカルインストールの手順が説明されていますが、基本的な概念はテキストモードインストールでも同じです。その後、the section called インストールの準備に進んでください。本章では、Red Hat Linuxのインストールで、グラフィカルインストールとは異なる点を詳しく説明します。
さらに、オフィシャル Red Hat Linux リファレンスガイドの付録「ディスクパーティションの導入」に、ディスクパーティションの大きさを変更する方法が説明されていますので、参考にしてください。この情報は、他のオペレーティングシステムのあるディスクにRed Hat Linuxをインストールする場合に必要です。
PCMCIAを使ってインストールする場合(たとえば、PCMCIAカードを備えたラップトップにインストールする場合)、PCMCIAブートディスクを作らなければなりません。作成方法は、Chapter 2に説明されています。
ネットワーク(NFS、FTP、HTTP経由)を使ってインストールする場合は、ネットワークブートディスクを作らなければなりません。作成方法は、Chapter 2に説明されています。
テキストモードインストールプログラムを使ったことがないか、テキストモードインストールプログラムのユーザーインターフェイスを再確認したいときは、次のセクションにある使い方の説明を参考にしてください。
すぐにインストールを始めたい方は、the section called インストールプログラムの起動に進んでください。
Red Hat Linuxのインストールを始める前に、インストール先のシステム構成を確認しておきます。確認しておくことによって、インストール時に予期しない事態が起きるのを予防できます。必要な情報のほとんどは、システムに添付されている文書か、システムのベンダーやメーカーから入手することができます。
Chapter 3の終わりには、インストールの際に必要となる情報のリストがあります。インストール先のシステムを調べてこの空欄に記入すると便利です。Table 3-5にあるハードウェア要件を確認してください。
対応しているハードウェアの最新情報は、http://hardware.redhat.com/にあります。インストールの前に、確認しておいてください。
注意 | |
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この章で説明する手順に従えば、Red Hat Linux 7.1をテキストモードでインストールすることができます。しかし、CD-ROMからインストールする場合は、グラフィカルインストールモードの方がよいでしょう。この方が使いやすく、柔軟なカスタムインストールができます。グラフィカルインストールについては、Chapter 4を参照してください。 |
インストール先のコンピュータについて、ハードウェアの基本的な構成を確認します。具体的には、次の点について調べます。
ハードディスクドライブ — 特に、数、容量、タイプ。複数台ある場合は、順序も確認します。ドライブがIDEかSCSIかを見ておくとよいでしょう。IDEドライブがある場合は、BIOSがリニアモードをサポートしているかどうかも確認します。BIOSの調べ方は、コンピュータの説明書を見てください。BIOSによっては、「大容量ディスクモード」などと呼んでいることもありますから、注意してください。この点についても、コンピュータの説明書を見て、確認してください。
メモリ — コンピュータに搭載しているRAMの容量。
CD-ROM — 一番重要なハードウェアです。装置のインターフェイスタイプ(IDEやSCSIなど)、あるいはIDEでもSCSIでもなければメーカーと製造番号。最近のPC互換コンピュータでは、IDE CD-ROM(ATAPIとも言います)が一般的です。
SCSIアダプタ(ある場合) — アダプタのメーカーと製造番号。
ネットワークカード(ある場合) — カードのメーカーと製造番号。
マウス — マウスのタイプ(シリアルマウスかPS/2マウスかバスマウスか)とプロトコル(Microsoft、Logitech、MouseManなど)とボタンの数。シリアルマウスの場合は、接続先のシリアルポート。
最近のシステムにインストールする場合、ほとんどのハードウェアはインストールプログラムが自動的に検出します。しかし、どちらにしてもこうした情報を確認しておく方が確実です。
すでにコンピュータ上にWindows 9Xが動作している場合は、次の手順で構成を調べることができます。
Windowsの[マイコンピュータ]アイコンをセカンダリマウスボタン(普通は、右のマウスボタン)を使ってクリックします。ポップアップメニューが表示されます。
メニューから[プロパティ]を選びます。すると、[システムのプロパティ]が表示されます。この画面の[コンピュータ]の下に表示されている情報。特にRAMの量を見てください。
次に、[デバイスマネージャ]タブをクリックします。ここでは、コンピュータのハードウェア構成をグラフィカルな表示で見ることができます。ここで、[種類別に表示]ラジオボタンが選択状態になっていることを確認してください。
この画面で、アイコンをダブルクリック(プラス記号+を1回クリック)すると、その項目の詳細が表示されます。以下に、いくつかのアイコンについて、そこから得られる情報をあげておきます。
ディスクドライブ — ハードディスクドライブのタイプ(IDEかSCSI)(IDEドライブの場合、ここの表示には「IDE」という文字が入っているのが普通です。SCSIドライブには入っていません)
ハードディスクコントローラ — ハードディスクドライブのコントローラに関する情報
CD-ROM — コンピュータに接続されているCD-ROMドライブの情報
注意 | |
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コンピュータがCD-ROMドライブの機能を持っているのに、ここにCD-ROMアイコンが表示されていないことがあります。これは異常ではなく、Windowsの最初のインストールの仕方によるものです。このような場合は、コンピュータのconfig.sysファイルで、ロードされているCD-ROMドライバを探し情報を得ます。 |
マウス — コンピュータに装備されているマウスのタイプ。
ディスプレイアダプタ — X Window Systemを使う場合は、ここにある情報を控えておいてください。
サウンド、ビデオ、およびゲームのコントローラ — コンピュータにサウンド機能があれば、ここから情報が得られます。
ネットワークアダプタ — コンピュータに搭載されているネットワークカード(もしあれば)の情報が得られます。
SCSIコントローラ — コンピュータにSCSI機器が接続されていれば、ここからSCSIコントローラの情報が得られます。
コンピュータを実際に開けて各装置を調べるのに比べれば、この方法で得られる情報は完全ではありません。しかし、通常なら、インストールに必要な情報は得られます。
注意 | |
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この情報は印刷することもできます。[印刷]ボタンをクリックしてください。もう1つウィンドウが開き、ここでプリンタやレポートの種類を選ぶことができます。情報量が一番多いのは、[すべてのデバイスとシステムの概要]という種類のレポートです。 |
X Window Systemを導入する場合は、次の情報も調べておく必要があります。
ビデオカード — カードのメーカーと製造番号(あるいはビデオチップセット)とビデオRAMの容量(ほとんどのPCIカードは、インストールプログラムが自動的に検出します)
モニタ — 装置のメーカーと製造番号、水平同期範囲と垂直同期範囲(最近のモデルであれば、インストールプログラムが自動的に検出します)
ネットワークに接続する場合は、次の情報を確認しておきます。
IPアドレス — 普通は、10.0.2.15のように、ドットで区切られた4つの数字で表します。
ネットマスク — これも、255.255.248.0のように、ドットで区切られた4つの数字で表します。
ゲートウェイIPアドレス — これも、10.0.2.254のように、ドットで区切られた4つの数字で表します。
1つまたは複数のネームサーバーのIPアドレス — これも、10.0.2.1のように、ドットで区切られた4つの数字で表します。
ドメイン名 — ネットワークを持つ組織の名前です。たとえば、Red Hatはredhat.comというドメイン名を持っています。
ホスト名 — 個々のシステムの名前です。たとえば、pooh。
注意 | |
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ここに示した具体的な値は、あくまでも例に過ぎません。Red Hat Linuxのインストールではこの例を使わないでください。正しい値がわからないときは、ネットワーク管理者にお尋ねください。 |