25.6. プロセスの説明

次のステップは、シャドウパスワードが有効になっているシステムで useradd juanコマンドが発行された場合に、起こる 結果を説明しています:

  1. /etc/passwdの中にjuan用の 新しい行が作成されます。この行は、以下のような特徴を持っています:

    • ユーザー名juanで始まる。

    • パスワードフィールドに、システムがシャドウパスワードを使用していることを示す 1つのxがある。

    • 500、又はそれ以上のUIDが作成される。(Red Hat Linuxでは、500以下の UIDとGIDはシステムの使用に予約済みです)。

    • 500、又はそれ以上のGIDが作成される。

    • オプションの GECOS情報は空白のまま残る。

    • juanのホームディレクトリは/home/juan/に セットされる。

    • デフォルトのシェルは、/bin/bashに セットされる。

  2. /etc/shadowの中にjuanの 新しい行が作成されて、以下の様な特徴を持ちます:

    • ユーザー名juanで始まる。

    • 2つの感嘆符(!!)が/etc/shadowファイルの パスワードフィールドに表示され、アカウントをロックする。

      注意注意
       

      暗号化されたパスワードが-pフラグを付けて渡されると /etc/shadowファイルのユーザー用の新しい行に置かれます。

    • パスワードは失効しないようにセットされる。

  3. /etc/groupの中にjuanと言う グループ用の新しい行が出来る。ユーザーと同じ名前のグループはユーザー プライベートグループと呼ばれます。ユーザープライベートグループに 関する詳細は、項25.1を参照して下さい。

    /etc/group内に作成された行は、以下の特徴を持ちます:

    • グループ名juanで始まる。

    • パスワードフィールドの中に、システムがシャドウパスワードを使用していることを示す 1つのxが表示される。

    • GIDは、/etc/passwdの中のユーザー juan用のリストに あるものと同じ。

  4. /etc/gshadowの中にjuanと 言うグループ用の行が作成され、次のような特徴を持ちます:

    • グループ名juanで始まる。

    • 1つの感嘆符(!)が、/etc/gshadowファイル のパスワードフィールドに表示され、これがグループをロックする。

    • 他のフィールドは全て空白となる。

  5. ユーザーjuan用のディレクトリは、/home/ ディレクトリの中に作成されます。このディレクトリは、ユーザーjuanと グループjuanに所有されます。しかし、ユーザーの juanのみが書き込み、読み込み、及び実行の 特権を持ちます。他の全ての権限は拒否されます。

  6. /etc/skel/ディレクトリ内のファイル(デフォルトのユーザー設定を持つ)は、 新しい/home/juan/ディレクトリにコピーされます。

この時点で、juanと言うロックされたアカウントが システム上に存在します。それを活性化するには、管理者はpasswd コマンドを使用してアカウントへのパスワードを割り当てる必要があり、さらには オプションとして、パスワードの経年変化ガイドラインも設定します。