Red Hat Linuxをインストールする方法はいくつかあります。本マニュアルではCD-ROMからのインストールに焦点を絞っています。別のインストール方法についての説明は、Chapter 5を参照してください。
CD-ROMからのインストールには、Red Hat Linux 7.1のボックスセットを購入しているか、Red Hat LinuxのCD-ROMを持っており、システムにCD-ROMドライブが装着されている必要があります。最近のほとんどのコンピュータでは、CD-ROMからの起動が可能です。システムでCD-ROMからの起動がサポートされている場合、ローカルCD-ROMインストールを簡単に開始することができます。
CD-ROMドライブからの起動を実行するには、BIOSを変更する必要があるかもしれません。BIOSの編集に関する詳細については、the section called インストールプログラムの起動 in Chapter 4を参照してください。
CD-ROMドライブから起動できない場合、以下に挙げる代わりの起動方法が利用できます。
CD-ROMドライブから起動できない場合、ローカルブートディスクまたはPCMCIAブートディスクが必要になる場合があります。
ローカルブートディスクが必要な場合は、ローカルブートディスクを作成します。ローカルブートディスクのイメージファイルboot.imgは、Red Hat Linux/x86 CD-ROMのimagesディレクトリにあります。ブートディスクの作成に関する詳細については、the section called インストールディスクの作成を参照してください。
PCMCIAデバイスからRed Hat Linuxをインストールする場合、PCMCIAブートディスクが必要になることがあります。その場合は、PCMCIAブートディスクを作成しなければなりません。詳しくは、the section called インストールディスクの作成を参照してください。
以下のどちらかに当てはまる場合は、PCMCIAブートディスクを作成する必要があります。
CD-ROMからRed Hat Linuxをインストールしようとしているが、使用しているCD-ROMドライブがPCMCIAカードを介してコンピュータに接続されている。
インストール時にPCMCIAネットワークアダプタを使用する。
PCMCIAブートディスクのイメージファイルpcmcia.imgおよびpcmicadd.imgは、Red Hat Linux/x86 CD-ROMのimagesディレクトリにあります。ブートディスクの作成に関する詳細については、the section called インストールディスクの作成を参照してください。
注意 | |
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インストールを始める際の起動には必要ありませんが、インストール中にドライバディスクが必要になる場合があります。オフィシャル Red Hat Linux リファレンスガイド の付録「ドライバディスク」に、インストールにドライバディスクが必要な場合の理由と、ドライバディスクの入手方法が記載されています。 |
場合によっては、イメージファイルからディスクを作成する必要があります。たとえば、Red Hat LinuxのErrataページから入手したアップデートディスクイメージを使用する場合やブートディスクを作成する場合です。
イメージファイルには、ディスクの内容の正確なコピー(イメージ)が含まれています。ディスクには、ファイルに含まれるデータに加えてファイルシステム情報も含まれるため、ディスクへの書き込みを行うまではイメージファイルを使用することができません。
まず、フォーマット済みの、1.44Mバイトの3.5インチフロッピーディスクが必要です。3.5インチフロッピーディスクを使えるコンピュータを使用します。そのコンピュータで、ほとんどのLinux系オペレーティングシステムに含まれるddユーティリティ、またはMS-DOSのどちらかを実行できる必要があります。
Red Hat Linux CD-ROMのimagesディレクトリに、Red Hat Linux/x86用のブートイメージが含まれています。適切なイメージを選択したら、以下の手順に従い、イメージをディスクに復元します。
MS-DOS上でディスクを作成するには、Red Hat Linux CD-ROMのdosutilsディレクトリにあるrawriteユーティリティを使用します。まず、空のフォーマット済み3.5インチディスクにわかりやすいラベルを貼っておきます(たとえば「ブートディスク」や「アップデートディスク」など)。そのディスクをドライブに挿入し、以下の太字で示したコマンドを実行します(CD-ROMドライブがd: であるとします)。
C:\>d: D:\>cd \dosutils D:\dosutils>rawrite Enter disk image source file name:..\images\boot.img Enter target diskette drive:a: Please insert a formatted diskette into drive A: andpress --ENTER-- : Enter D:\dosutils> |
rawriteを実行すると、ディスクイメージのファイル名を入力するように指示されます。そこで、書き込むイメージのディレクトリと名前を入力します(たとえば、..\images\boot.img)。次に、rawriteはイメージの書き込み先ディスクドライブを入力するように指示します。そこで、a:と入力します。最後に、rawriteは、指定したドライブの中にフォーマット済みのディスクがあることを確認するように指示します。Enterキーを押すと、rawriteはイメージファイルをディスクにコピーします。さらに追加のディスクを作成する必要がある場合は、別のディスクにラベルを貼り、適切なイメージファイルを指定してもう一度rawriteを実行します。
Linux(またはその他のLinux系オペレーティングシステム)上でディスクを作成する場合は、3.5インチディスクドライブを表すデバイス(Linuxでは/dev/fd0とされています)に対する書き込み権限を持っていなければなりません。
まず、空のフォーマット済みディスクに適当なラベルを貼っておきます(たとえば、「ブートディスク」や「アップデートディスク」など)。それをディスクドライブに挿入します(mountコマンドを実行する必要はありません)。Red Hat LinuxのCD-ROMをマウントしたら、目的のイメージファイルを含むディレクトリに切り換えて、以下のコマンドを実行します。必要であれば、イメージファイル名とディスクデバイスは環境に応じて変更してください。
# dd if=boot.img of=/dev/fd0 bs=1440k |
さらに追加のディスクを作成する場合は、別のディスクにラベルを貼り、適切なイメージファイルを指定してddをもう一度実行します。