容量制限が実践された場合、幾らかの保全が必要となります — ほとんどの場合、 容量制限が超過していないことを監視することと、容量制限が正確であることを確証する 形になります。当然、ユーザーが繰り返し容量制限を超過したり、常時ソフトリミットに 到達するのであれば、システム管理者は、ユーザーのタイプとディスク容量が彼らの 仕事に与えるインパクト大きさにより、行動する選択肢を幾つか持ちます。管理者は、 ユーザーがディスク容量を少なく使用する方法を決定すること、又は必要であれば ユーザーのディスク容量制限を増加することのどちらかで援助することが出来ます。
ディスク使用量報告を作成するには、repquota ユーティリティの実行が要求されます。例えば、コマンド repquota /homeは次の出力を作り出します:
*** Report for user quotas on device /dev/hda3 Block grace time: 7days; Inode grace time: 7days Block limits File limits User used soft hard grace used soft hard grace ---------------------------------------------------------------------- root -- 36 0 0 4 0 0 tfox -- 540 0 0 125 0 0 testuser -- 440400 500000 550000 37418 0 0 |
全ての容量制限有効なファイルシステムのディスク使用量報告を表示するには、 以下のコマンドを使用します:
repquota -a |
報告は簡単に読めますが、数点だけ説明が必要です。各ユーザーの後に 表示されている--はブロック又は iノードリミットが超過しているかどうかを素早く判断する手段です。 どちらかのソフトリミットが超過している場合、-に 相当する部分に+が表示されます。最初の -がブロック限度を示し、2番目の物が iノード限度の為の表示をします。
graceの列は、通常は空白です。 ソフトリミットが超過したとき、この列は猶予期間の残り時間に相当する 時間指定を持つことになります。もし猶予期間が終了した場合は、 代わりにnoneが表示されます。
ファイルシステムが、正常にアンマウントされていない時 (システムクラッシュなどで)はいつも、quotacheckを 実行する必要があります。しかし、quotacheckは システムがクラッシュしていない時でも定期レベルで実行することも出来ます。 以下のコマンドを定期的に実行することにより、容量制限をより正確に維持する ことが出来ます(使用されるオプションは項6.1.1で 説明してあります):
quotacheck -avug |
定期的にチェックを実行する最も簡単な方法はcronの 使用です。rootとしてcrontab -eコマンドで定期的な quotacheckのスケジュールを作るか、あるいは以下の いずれかのディレクトリでquotacheckを実行する スクリプトを入れます(ユーザーに目的に応じた間隔を使用する):
/etc/cron.hourly
/etc/cron.daily
/etc/cron.weekly
/etc/cron.monthly
最も正確な容量制限の統計情報は、ファイルシステムが使用中でない状態で 解析される時に得られます。その為、cronのタスクはファイルシステムの 使用が最も低下する時にスケジュールすべきです。この時間が、容量制限を 持つ別々のファイルシステムで異なる場合、複数のcronタスクで別々の 時間にそれぞれのファイルシステム用にquotacheckを 実行します。
cron設定の詳細情報は第28章で 御覧下さい。
容量制限は、0に設定せずに無効にすることも可能です。全てのユーザーと グループの容量制限を停止するには、次のコマンドを使用します:
quotaoff -vaug |
-uと-gのどちらのオプションも 指定されていない場合、ユーザー容量制限のみが無効になります。また -gだけが指定されている場合、グループ容量制限のみが 無効になります。
再度、容量制限を有効にするには、同じオプションでquotaon コマンドを使用します。
例えば、全てのファイルシステムのユーザーとグループを 有効にするには、以下のようにします:
quotaon -vaug |
/homeなどの特定のファイルシステムの 容量制限を有効にするには、以下のコマンドを使用します:
quotaon -vug /home |
-u と -gのどちらのオプションも 指定されていない場合は、ユーザー容量制限のみが有効になります。 -gのみが指定されている場合は、グループ容量制限のみが 有効になります。