ディレクトリの変更方法が理解できたと思いますので、これらのディレクトリの中身について考えてみましょう。
lsと入力してEnterキーを押してください。現行ディレクトリの内容、あるいは少なくともその大部分が表示されるはずです。
パラメータを何も指定しないでlsコマンドを使用しても、ユーザーのディレクトリ内のすべてのファイルが表示されるわけではありません。すべてのファイルを見るためには、このほかにオプションを1つか2つ指定しなければなりません。
lsコマンドと一緒に使用できるオプションは、数多くあります。
lsのmanページ | |
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lsコマンドのすべてのオプションを見るには、シェルプロンプトでman lsと入力してmanページを読むのがよいでしょう。manページを印刷するには、プロンプトでman ls | col -b | lprと入力します。 |
コマンドのオプションが豊富な理由は、ユーザーのニーズに合わせて情報を表示できるようにしているためです。たとえば、表示するファイルを指定したり、ファイルに設定された権限を確認することもできます。
ls -aと入力してください。ドット(.)で始まる名前のファイルが表示されるはずです。これらのファイルは隠しファイルあるいは、そのままドットファイルと呼ばれます。
隠しファイルの大部分は、プログラム、ウィンドウマネージャ、シェルなどの設定を保存している設定ファイルです。これらのファイルをデフォルトのlsコマンドでは「非表示」にしている理由は、ユーザーが間違って変更してしまうことを防ぐためです。それに加え、ディレクトリを検索する場合、これらの設定ファイルを検索する頻度は少ないため、非表示にしておくことで画面に不要なファイルが表示されないようにもしています。
すべてのファイルを表示(ls -a)することにより、多くの詳細を得ることができますが、複数のオプションを加えることにより、さらに多くの情報を表示することができます。
ファイルやディレクトリのサイズ、作成日時などの詳細情報を確認するには、次のように、ls -aコマンドに「long」を意味するオプション(-l)を追加します。
ls -al |
このコマンドを使用すると、ファイルの作成日付、サイズ、所有権、権限などが表示されます。
lsコマンドは、表示したい内容を含むディレクトリにわざわざ移動しなくても使用することができます。
/etcディレクトリの内容を見て見ましょう。次のように入力してください。
ls -al /etc |
/etcディレクトリの内容に関する多くの情報が表示されます。
lsに付けることができる一般的なオプションについて、いくつか簡単に説明します。オプションについては、lsのmanページ(man lsコマンドで表示)を読めば、すべてのオプションについて知ることができます。
-a —すべて。非表示ファイル(.filename)を含むディレクトリにあるすべてのファイルを表示します。表示される..と.は、それぞれ親ディレクトリと現在のディレクトリを示します。
-l — 詳細。権限、所有者、グループ、サイズ、作成日、ファイルがシステムのどこかにリンクされているかどうか、そしてそのリンクポイントなどを含む、内容についての詳細を表示します。
-F —ファイルタイプ。各一覧の最後に記号を追加します。これらの記号としては、ディレクトリを示す/、他のファイルへのシンボリックリンクを示す@、そして実行可能ファイルを示す*などがあります。
-r —反転。表示順を反転してディレクトリの内容を表示します。
-R —再帰。オプションを使うと、すべてのサブディレクトリ(カレントディレクトリより下のディレクトリ)の内容を再帰的に表示します。つまり、現在のディレクトリの内容を表示し、その中にディレクトリがあればそのディレクトリの内容を表示し、というように、ディレクトリの中にディレクトリがなくなるところまで表示します。
-S —サイズ。ファイルをサイズにもとづいて並べ替えて表示します。
この章の後半でパイプと入出力のリダイレクトを紹介するときに、ディレクトリの内容を表示するほかの方法について説明します。