Gnome-RPMは、Red Hat Package Manager(RPM)のGUIインターフェイスを提供します。RPMテクノロジーに関する詳細は、Chapter 17を参照してください。
RPMのコマンドラインバージョンを使いたくない場合は、代わりにGnome-RPMを使用できます。これは、X Window Systemで稼動するグラフィカルツールです。Gnome-RPMは、James Henstridge(<james@daa.com.au> )が作成しました。RPM 3.0サポートはRed Hatによって作成されました、また、追加のrpmfindコードはDaniel Veillardによって作成されました。
Gnome-RPM(gnorpm とも呼ばれます)により、ユーザーは容易にRPMテクノロジーを稼動させ、使い勝手の良いインターフェイスを使用することができます。
Gnome-RPMは「GNOME準拠」で、Red Hat Linuxが提供するX Window Systemのデスクトップ環境であるGNOMEにシームレスに統合されています。
Gnome-RPMを使用すると、以下の作業が簡単に実行できます。
RPMパッケージのインストール
RPMパッケージのアンインストール
RPMパッケージのアップグレード
新しいRPMパッケージの検索
RPMパッケージの問い合わせ
RPMパッケージの検証
Gnome-RPMインターフェイスは、メニュー、ツールバー、ツリー、そして現在インストールされているパッケージの表示ウィンドウ機能を特徴とします。
Gnome-RPMでの操作は、多くの場合、パッケージを検索して選択し、ツールバーのボタン、メニュー、右クリックで実行する作業のタイプを選択することによって行います。
パッケージをインストールすると、そのパッケージに含まれるすべてのコンポーネントがシステム内の正しい位置に配置されます。
パッケージをアンインストールすると、インストール後に修正された設定ファイル以外の、パッケージのコンポーネントがすべて削除されます。
パッケージをアップグレードすると、新しく提供されるバージョンがインストールされ、それ以外のすでにインストールされていたバージョンがすべてアンインストールされます。
また、Web findオプションにより、新規リリースパッケージをインターネットで検索することもできます。新しいパッケージを探す場合に、特定のディストリビューションを検索するようにGnome-RPMに命令することができます(接続が低速な場合、このオプションを全部実行するのに少し時間がかかる場合があります)。この機能の詳細については、the section called 設定を参照してください。
注意 | |
---|---|
リポジトリから入手できる多くのパッケージの完全性を検証する方法がないため、Web findオプションを使用する場合は注意が必要です。インストールする前に、そのパッケージに関する問い合わせを実行して、それが信頼できるものかどうか確認する必要があります。Red Hatの製品以外のパッケージは、いかなる場合もRed Hatによりサポートされません。パッケージの検証に関する詳細は、the section called パッケージの検証を参照してください。 |
Gnome-RPMによる多くの作業の実行は、シェルプロンプトからRPMコマンドを実行する場合と同じことです。しかし、Gnome-RPMのグラフィックカルな環境からこれらの作業が簡単に実行できるのは大きな利点でしょう。Gnome-RPMは、多彩なビューでパッケージを表示することができます。フィルタによるパッケージの識別については、the section called 新しいパッケージのインストールを参照してください。
複数のパッケージのインストール、アップグレード、アンインストールでも、マウスを数回クリックするだけで実行することができます。同じように、複数のパッケージを一度に問い合わせで照会し、検証することができます。Gnome-RPMはGNOMEと統合されているため、パッケージのインストール、問い合わせ、検証をGNOMEファイルマネージャの内部から実行することもできます。
次のいずれかの方法で、Gnome-RPMを起動できます。
GNOMEデスクトップから、メインメニューボタン(パネル上)=>プログラム=>システム=>GnoRPMを選択します。
KDEデスクトップ上から、メインメニューボタン(パネル上)=>プログラム=>システム=>GnoRPMを選択します。
シェルプロンプトで、gnorpm &と入力します。
いずれの場合も、Gnome-RPMウィンドウが表示されます(Figure 18-1参照)。
注意 | |
---|---|
パッケージのインストール、アップグレード、アンインストールを行うには、root権限が必要です。rootとなるのにもっとも簡単な方法は、シェルプロンプトで、suコマンドを入力し、Enterキーを押して、その後、rootパスワードを入力することです。ただし、パッケージの問い合わせや検証を行う場合は、root権限は不要です。 |
Gnome-RPMのインターフェイスには、いくつかの部分があります。
パッケージパネル—左側に表示され、システム内のパッケージの表示と選択を行うことができます。
表示ウィンドウ—パッケージパネルの右にあり、パッケージパネルで選択したフォルダの内容を表示します。
ツールバー—表示ウィンドウとパッケージパネルの上にあり、パッケージツールをグラフィカルに表示します。
メニュー—ツールバーの上にあり、テキストベースのコマンドのほか、ヘルプ情報、設定などが含まれます。
ステータスバー—パネルと表示ウィンドウの下にあり、選択されているパッケージの合計数などを表示します。