Chapter 18. Gnome-RPM

 Gnome-RPMは、Red Hat Package ManagerRPM)のGUIインターフェイスを提供します。RPMテクノロジーに関する詳細は、Chapter 17を参照してください。

 RPMのコマンドラインバージョンを使いたくない場合は、代わりにGnome-RPMを使用できます。これは、X Window Systemで稼動するグラフィカルツールです。Gnome-RPMは、James Henstridge( )が作成しました。RPM 3.0サポートはRed Hatによって作成されました、また、追加のrpmfindコードはDaniel Veillardによって作成されました。

 Gnome-RPMgnorpm とも呼ばれます)により、ユーザーは容易にRPMテクノロジーを稼動させ、使い勝手の良いインターフェイスを使用することができます。

 Gnome-RPMは「GNOME準拠」で、Red Hat Linuxが提供するX Window Systemのデスクトップ環境であるGNOMEにシームレスに統合されています。

 Gnome-RPMを使用すると、以下の作業が簡単に実行できます。

 Gnome-RPMインターフェイスは、メニュー、ツールバー、ツリー、そして現在インストールされているパッケージの表示ウィンドウ機能を特徴とします。

 Gnome-RPMでの操作は、多くの場合、パッケージを検索して選択し、ツールバーのボタン、メニュー、右クリックで実行する作業のタイプを選択することによって行います。

 また、Web findオプションにより、新規リリースパッケージをインターネットで検索することもできます。新しいパッケージを探す場合に、特定のディストリビューションを検索するようにGnome-RPMに命令することができます(接続が低速な場合、このオプションを全部実行するのに少し時間がかかる場合があります)。この機能の詳細については、the section called 設定を参照してください。

Note注意
 

リポジトリから入手できる多くのパッケージの完全性を検証する方法がないため、Web findオプションを使用する場合は注意が必要です。インストールする前に、そのパッケージに関する問い合わせを実行して、それが信頼できるものかどうか確認する必要があります。Red Hatの製品以外のパッケージは、いかなる場合もRed Hatによりサポートされません。パッケージの検証に関する詳細は、the section called パッケージの検証を参照してください。

 Gnome-RPMによる多くの作業の実行は、シェルプロンプトからRPMコマンドを実行する場合と同じことです。しかし、Gnome-RPMのグラフィックカルな環境からこれらの作業が簡単に実行できるのは大きな利点でしょう。Gnome-RPMは、多彩なビューでパッケージを表示することができます。フィルタによるパッケージの識別については、the section called 新しいパッケージのインストールを参照してください。

 複数のパッケージのインストール、アップグレード、アンインストールでも、マウスを数回クリックするだけで実行することができます。同じように、複数のパッケージを一度に問い合わせで照会し、検証することができます。Gnome-RPMはGNOMEと統合されているため、パッケージのインストール、問い合わせ、検証をGNOMEファイルマネージャの内部から実行することもできます。

Gnome-RPMの起動

 次のいずれかの方法で、Gnome-RPMを起動できます。

 いずれの場合も、Gnome-RPMウィンドウが表示されます(Figure 18-1参照)。

Note注意
 

パッケージのインストール、アップグレード、アンインストールを行うには、root権限が必要です。rootとなるのにもっとも簡単な方法は、シェルプロンプトで、suコマンドを入力し、Enterキーを押して、その後、rootパスワードを入力することです。ただし、パッケージの問い合わせや検証を行う場合は、root権限は不要です。

 Gnome-RPMのインターフェイスには、いくつかの部分があります。

Figure 18-1. Gnome-RPMのメインウィンドウ