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3. 表示の設定

ここでは、既に Linux のコンソールと X11 の設定を、使用しているキーボードと ロケールにあわせてあると仮定します。この方法は デンマーク/インターナショナル HOWTO や 他の国(Finnish(フィンランド), French(フランス), German(ドイツ), Italian (イタリア), Polish(ポーランド), Slovenian(スロベニア), Spanish(スペイン), Cyrillic(キリル), Hebrew(ヘブライ), Chinese(中国), Thai(タイ), Esperanto(エスペラント)) の HOWTO で説明されています。ただ、 Thai HOWTO で説明されている方法には従わないでください。ISO-8859-1 の 文字(U0000..U00FF) を使用してもタイ語の文字 (U0E01..U0E5B) になってしまいます。これは Unicode に変更するときに問題となります。

(訳注:日本語版のほとんどのディストリビューションでは既に設定済みですが、 もしまだであれば JF プロジェクトにある Keyboard-and-Console-HOWTO が役にたつでしょう)

3.1 Linux コンソール

ここでは Linux コンソールについてあまり多くは述べません。私が xdm を動か していないマシンを使う場合、単にログイン名とパスワードを入力して "xinit" を実行するだけだからです。

kbd-0.99 パッケージ ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/system/keyboards/kbd-0.99.tar.gz と、それをかなり拡張したバージョンである console-tools-0.2.2 パッケージ ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/system/keyboards/console-tools-0.2.2.tar.gz には kbd-0.99/src/ (もしくは console-tools-0.2.2/screenfonttools/)ディレ クトリに二つのプログラム `unicode_start' と `unicode_stop' があります。

`unicode_start'を呼びだすと、コンソールのスクリーンへの出力は UTF-8と解 釈されます。またキーボードは Unicode モード("man kbd_mode" を参照)に入り ます。このモードでは、Alt-x1 〜 Alt-xn(x1 〜 xn はテンキー上の数値です) で入力された Unicode 文字は UTF-8 となります。あなたのキーボードに (正確 にはあなたの通常のキーマップに) 非 ASCII 文字のキー(たとえばドイツ語のウ ムラウト)があり、その文字をキャップスロックしたい場合には、カーネルパッ チ linux-2.2.9-keyboard.diff もしくは linux-2.3.12-keyboard.diff をあてる必要があります。

スクリーン上で同時に異なった種類の文字を表示する場合、Unicode コンソール のためのフォントが必要となります。 ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/system/keyboards/kbd-0.99.tar.gz および ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/system/keyboards/console-data-1999.08.29.tar.gz パッケージに含まれているフォント(LatArCyrHeb-{08,14,16,19}.psf) はラテン 語、キリル文字、ヘブライ語、アラビア語の文字をカバーします。つまりこれ一 つで ISO 8859 の 1,2,3,4,5,6,8,9,10 をカバーします。インストールするには /usr/lib/kbd/consolefonts/ へコピーし、
"/usr/bin/setfont /usr/lib/kbd/consolefonts/LatArCyrHeb-14.psf" を実行します。

カット & ペーストを UTF-8 のコンソールで動作させたいのであれば、 Edmund Thomas Grimley Evans と Stanislav Voronyi によるパッチ linux-2.3.12-console.diff が必要になります。

3.2 X11 外国語フォント

キリル文字、中国語、日本語などのフォントのインストールをためらう理由はあ りません。それらが Unicode フォントではないとしても、Unicode の文書を表 示する時に役立ちます。少くとも Netscape Communicator 4 と Java は、可能な 時には外国語のフォントを利用します。

以下は、フォントをインストールする時に便利なプログラムです。

次のフォントは自由に利用できます(完全なリストではありません):

3.3 X11 Unicode フォント

アプリケーションで異なる用字(例えばキリル文字やギリシャ文字)のテキストを 同時に表示するには、異なる X フォントを使うことによって可能になります。 これは Netscape Communicator と Java が行なっていることです。ですがこの 方法はより複雑です。プログラマーは `Font' と `XFontStruct' を利用するか わりに `XFontSet' を扱わなければならなく、その上さらにフォントセットの全 てのフォントが同じ文字幅を持っているわけではないからです。

3.4 Unicode xterm

xterm は X11R6 と XFree86 の 1 部なのですが、Tom Dickey により別にメンテナンスされています。 http://www.clark.net/pub/dickey/xterm/xterm.html
新しい バージョン(パッチレベル 109 以降)は、xterm で動作しているアプリケーションにキーストロークを送る前にキーストロークを UTF-8 にコンバートする機能と、アプリケーションの出力する Unicode 文字を UTF-8 のバイトシーケンスとして表示する機能をサポートしています。

UTF-8 をサポートする xterm を実行するには、次のようにします。

Robert Brady <rwb197@ecs.soton.ac.uk>, による、倍のサイズのワイド文字 (CJK の表意文字など)の実装、結合(combine)をするためのパッチは http://www.ecs.soton.ac.uk/~rwb197/xterm/ です。

これは xterm パッチレベル 120 http://www.clark.net/pub/dickey/xterm/xterm-120.tgz ベースです。 次のような設定で使うのがよいでしょう。

  *VT100*font:     -Misc-Fixed-Medium-R-Normal--18-120-100-100-C-90-ISO10646-1
  *VT100*wideFont: -Daewoo-Gothic-Medium-R-Normal--18-18-100-100-M-180-ISO10646-1

3.5 その他

Linux のコンソールや xterm が UTF-8 モードかどうかをテストする 簡単なプログラム testUTF-8.c と testUTF8.c が、Ricardas Cepas のパッケージ ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/system/keyboards/x-lt-1.18.tar.gz にあります。


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