付録 A 、
B 、
C
は GRASS の入手方法とインストールのしかたについて解説している。
GRASS を実際にインストールする前に、システムのどこに入れるかを決めなければ
ならない。
私はここ 10 年ほど上記とは異なる構成で使用しています。GRASS のコード、バイ ナリ、その他(ユーザのデータは除く)すべては、「grass」という特定のユーザが オーナーになっています。というのは、システム全体に GRASS が散らばってしま わないようにするためです。/user という新しいディレクトリ(普通は独立した ファイル・システム上)を作成し、GRASS 関連をすべてそこに入れます。たとえば 下記のように。
/user/grass4.1/bin (普通 grass4.1 と gmake4.1 をここに置いてます) /data /dev /etc /man /src /src.alpha /src.contrib
GRASS5.0 は下記のように構築しています。
/user/grass5/bin /data (GRASS5 のデータ形式がいくつか変更されたので...) /dev /etc
GRASS のインストール・ガイド(
参考文献と
付録 C で解説してあります)は、もし
付録 A 、
B を見てバイナリをインストールするだけ
の場合でも GRASS を取ってきたり、動作させる時にたいへん参考になります。
見過ごしてはいけない重要なことがあります。GRASS のインストールは、ソフト
ウエア管理のアカウントとそのアカウントと同じ UNIX のパーミッションを持たな
いユーザで行うことです。まず「grass」(「」は強調表現のためで、実際のユーザや
ユーザ ID には使わないでください)というユーザ・アカウントをワークステーション
上につくります。すべてのインストールと設定作業は、「grass」というユーザで
行ってください。tar や cpio を使ってファイルを展開し、設定のセットアップを
行うユーティリティを動かしてください。Gmakefile(GRASS 版の makefile) を走ら
せ、「grass」ユーザで設定ファイルを編集してください。そうしたら「grass」
ユーザで GRASS を実行してください。grass ユーザで実行するのは「まれ」なこと
です(私が「grass」ユーザで実行する時は、ずっととって置きたいマップセットを
アーカイブする場合だけです)。同じ理由で決して「root」で実行しないでください。
とんでもないことになります!
これら付録の解説や GRASS インストール・ガイドの情報の他にもさらにしなければ ならないことがあります。それはデータベースの構築です。サンプルのデータベース は USA/CERL から取ってこられます ( ftp://moon.cecer.army.mil/pub/grass/grass4.1/release/data に あります)。まず GRASS プログラマーズ・マニュアルの解説にしたがって最初から 作ることも可能です(少なくとも GRASS ユーザ・リファレンス・マニュアルの機能 の解説の所にその方法が埋もれています)
個人的には、USA/CERL にある Spearfish 及び Global データベースからはじめ るのがいいと思います。
まずこれら 2 つの例からはじめれば、後は自分でユニバーサル横メルカトル図法 や緯度経度投影図法データベースを構築することができるようになるでしょう。 (注意:緯度-経度投影図法を投影図法とは普通呼びません。また地球の 表面を二次元で表現したものが投影法だ、という見方もあります。ここではこれ 以上の議論はもう行ないません。いうまでもなく、コンピュータ・プログラムは、 緯度-経度投影図法を他の投影法と同様に扱うからです)