第 14章ファイルとディレクトリの管理

デスクトップファイルマネージャは、グラフィカルデスクトップを使用する ファイルやディレクトリの管理の為の強力で重要なツールです。この章では、 Red Hat Linuxシステム上のファイルやディレクトリの管理の為に使用される各種の シェルプロンプトコマンドについて説明します。この章ではまた、バックアップを 作成するため、及び他の場所に転送する為に便利なファイルのアーカイブを作成 する圧縮ツールについての説明もします。

注意注意
 

セキュリティシステムのため、rootでない限りすべてのシステムレベルのファイルや ディレクトリにはアクセスできないようになっています。ファイルを開く、削除する、又は 実行する、の権限がない場合はアクセスが拒否されたというエラーメッセージが表示されます。 これは正常な反応で、権限のないユーザーが重要なシステムファイルを変更や削除することを防止する 為に使用されます。

14.1. ファイルシステムの全体像

すべてのオペレーティングシステムは、追加、修正などの変更履歴が得られるように、 ファイルや ディレクトリへのデータの格納法を持っています。

Linuxでは,全てのファイルはディレクトリに格納され、ディレクトリは他のディレクトリを 含むことができます;これらサブディレクトリはまた、ファイルや さらに別のディレクトリを含むことができます。

ファイルシステムは、木のような構造と考えられ、ディレクトリが枝分かれと言えます。 これらのディレクトリはさらに他のディレクトリを含む「親ディレクトリ」にもなり、 その中のディレクトリ(サブディレクトリ)は、また、その中に ファイルや、自分自身のサブディレクトリを持つことが出来ます。

根(root)のない木はないように, 同じことが Linuxファイルシステムにも言えます。 どんなにディレクトリ同士が遠くまで枝分かれしても、すべてはrootディレクトリで 繋がっています。 rootは、一つのスラッシュ (/)で表示されます。

ティップヒント
 

Red Hat Linuxでは、rootという用語を複数の異る意味で 使用しているので、初心者ユーザーは混乱するかも知れません。 rootアカウント(スーパーユーザーで すべての権限を持つ)を指す場合もあれば、 rootアカウントのホームディレクトリ(/root)を 指す場合も、 ファイルシステム全体のルートディレクトリ(/)を指す場合もあります。 rootという用語を使用して会話をする際は、どのrootを 指しているのか明確に 知る必要があります。

システム管理者、又はroot (スーパーユーザー)のアクセス権所有でない限り、 自分のホームディレクトリ以外のファイルやディレクトリに書き込む権限はないはずです。 そして特定のディレクトリは特殊な目的の為に予約してあります。例えば /homeはデフォルトでユーザーのホームディレクトリの 場所です。

スーパーユーザーのアクセスを所有していないユーザーには、ホームディレクトリを探すこと、 ドキュメントの読み取り、及び一時ファイルの保存の為に、次のようなディレクトリが役に立つでしょう。

Red Hat Linuxシステムが、他の多くの Linuxディストリビューションと互換性があるのは、 ファイルシステム階級基準(FHS)によるためです。FHSガイドラインが、すべてのLinuxシステムでシステムプログラムとファイルを保存する方法を標準化するのに役立っています。

FHSについての詳細は、Red Hat Linux 参照ガイドをお読みください。 また、 FHSの webサイト http://www.pathname.com/fhsでもご覧になれます。