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5. 特定のチップセットと、そのドライバ

5.1 Lucent LT

概要

このモデムは Linux では最も多くサポートされていて、3つの異なるドライバパッ ケージが存在します。

("linux568.zip" の)バイナリのみのドライバモジュールは、GPL の Linux serial.c ドライバからのコードを含んでいることに注意する必要があり ます。従って、モデムドライバのソースコードは利用できないのでこのドライバの 売買は明らかに GPL に違反します。 部分的にオープンソースのドライバ("i56lvp578.zip")の配布は技術的に合法かも しれないし、そうでないかもしれません。GPL のコードがクローズなソースコード にまだリンクされていないけれど、確かにそのようにするつもりだからです。 詳しくは、 この Kernel Traffic の問題点 と Linux-Kernel メーリングリストの 2000年12月3日の週を含むアーカイブをご覧下さい。

メーカ製のドライバ version 5.78 - インストール

インストールのソース部分は、モジュールを使用するバージョンのカーネルに依存 します。オリジナルのコードは Red Hat 6.2 のカーネル 2.2.14-5.0 で使用する ように設計されています。

  1. http://walbran.org/sean/linux/stodolsk/ から、あなたの カーネル用のパッケージを入手して下さい。(2.4 用のカーネルは、そこで 説明されているように必要なパッチをあてること)
  2. パッケージを展開します。
  3. make と入力して ltmodem.o モジュールを作成します。
  4. su と入力して(要求されたらパスワードを入力してください) root ユーザに変更します。
  5. ./ltinst2 (推奨) または ./ltinst (オリジナル) と 入力してモジュールをインストールしてください。
これでモデムは /dev/modem または /dev/ttyLT0 (推奨) または /dev/ttyS14 (後方互換)としてアクセス可能なはずです。

メーカ製のドライバ version 5.68 - インストール

このドライバは、version 5.78 に置き換えられました。しかし、特殊なケースでは まだ使いみちがあります。

  1. あなたのカーネル用のパッケージを入手して下さい。
    1. 2.2.12 から 2.2.15 http://linmodems.org/linux568.zip
    2. 2.2.15 と、それ以上:同じURL、しかし "tty.h"パッチが必要です。 前述の「異なるカーネルバージョンでコンパイルされているモジュー ルのための Tips とトリック」の項をご覧下さい。
  2. unzip linux568.zip
  3. su (要求されたらパスワードを入力してください)
  4. ./ltinst (インストールスクリプト内の欠陥のため 'file not found' というエラーが出ますが無視して下さい。
これでモデムは /dev/modem または /dev/ttyS14 として アクセス可能なはずです。

オープンソースのツール - インストール

手順はソースのドキュメントをご覧ください。

5.2 ESS

概要

ES56T-PI (PCI) と ES56V-I (ISA)用に RedHat 6.0 カーネル 2.2.12-20 でコンパ イルされたバイナリドライバがあります。カーネル 2.2.15 までは強制挿入によっ て使用され、 2.2.17 までは「異なるカーネルバージョンでコンパイルされている モジュールのための Tips とトリック」の項で述べた "tty.h"のパッチを使うこと により動作しています。

インストール

  1. あなたのモデム用のパッケージを入手して下さい。
  2. カーネル 2.2.15 と、それ以降の場合は tty.h パッチをあてて下さい。 (前述の「異なるカーネルバージョンでコンパイルされているモジュールの ための Tips とトリック」の項をご覧下さい) カーネルとモジュールを再コンパイルして下さい。
  3. パッケージを展開する: unzip パッケージ名
  4. root ユーザに変更: su (要求されたらパスワードを入力する)
  5. デバイスファイルを作成する: mknod /dev/esscom c 127 1
  6. 便利なデバイスを作成する: ln -s /dev/esscom /dev/modem
  7. 便利なデバイスを作成する: ln -s /dev/esscom /dev/ttyS15
  8. デバイスの所有権をセットする: chgrp uucp /dev/esscom
  9. デバイスのパーミッションをセットする: chmod 666 /dev/esscom
  10. モジュールバージョンを仮装する (「異なるカーネルバージョンでコンパ イルされているモジュールのための Tips とトリック」の項参照): ./fixscript essmodem.o essmodem.fix.o
  11. モジュールファイルをインストールする: cp essmodem.fix.o /lib/modules/`uname -r`/misc/essmodem.o
  12. カーネルにモジュールを挿入する: insmod -f essmodem
  13. (オプション)自動モジュールローディング: /etc/modules.conf または /etc/conf.modules ファイルに "alias char-major-127 essmodem"という行を追加する。

5.3 PCTel

概要

バイナリドライバが下記にあります。 http://www.kcdata.com/~gromitkc/winmodem.html#drivers

カーネル 2.2.16 用の Debian 型式のインストールパッケージが Corel ftp://ftp.corel.com/pub/linux/CorelLinux/dists/corellinux-1.2/corel/binary-i386/utils/pctel-kernel-2.2.16-driver-cdl-v1.0_1.0.deb から入手できます。Debian パッケージ (.deb) は、"alien" というツールを使って ( http://www.kitenet.net/programs/alien/ 他のパッケージのフォー マット(RPM または .tar.gz)に変換できます。

インストール

PCTel モジュールパッケージには、明らかに 2つの型式があります。

  1. 2つのモジュールファイル pctel_hsp.o と pctel_pci.o を /lib/modules/2.2.16 にインストールパッケージ (rpm または deb)

    このパッケージで、2.2.16 より新しいカーネルを実行しているなら、強制挿入 (insmod -f)を使う必要があり、成功しなかった場合は、前述の Lucent 5.68 と ESS モジュールで使用した "fixscript" の方法を試すことができます。 しかし、これは私が知る限りではまだ試されていません。2.2.16 より古いカーネル を実行しているなら、カーネルをアップグレードするか、または fixscript (これ も動作することが保証されているわけではありません)を試すことを検討するべき でしょう。もし、これらで動作したなら私に報告して下さい。

  2. 展開するとライブラリのセット(hsp.a その他)と、lib/ および src/module/ のようなディレクトリの中に小さな C 言語のソースファイル (ptmodule.c) があるパッケージ。ディレクトリが無い場合は、以下のようにそれを作成し ファイルを配置して下さい。
    mkdir lib
    mkdir src
    mkdir src/module
    mv *.a lib/
    mv Makefile *.c src/module
    

    そして、src/module ディレクトリに移動し make と入力します。 これは lib ディレクトリ内にバックアップとして pctel.o モジュールファイルを作成するはずです。(ドライバモジュールは、 src/module の中の ptmodule.oではありません!)

    この方法で作成されるモジュールの外見上のバージョンは、あなたの現在のカーネル バージョンと一致します。

できたモジュールで、以下のようにしてインストールを進めて下さい:

  1. root ユーザに変更: su (要求されたらパスワードを入力する)
  2. デバイスファイルを作成する: mknod /dev/pctel c 62 79
  3. 便利なデバイスを作成する: ln -s /dev/pctel /dev/modem
  4. 便利なデバイスを作成する: ln -s /dev/pctel /dev/ttyS15
  5. デバイスの所有権をセットする: chgrp uucp /dev/pctel
  6. デバイスのパーミッションをセットする: chmod 666 /dev/pctel
  7. モジュールファイルをインストールする(パッケージタイプ2の場合のみ): cp pctel.o /lib/modules/`uname -r`/misc/
  8. カーネルにモジュールを挿入する:insmod -f modulename

5.4 Conexant/Rockwell HSF

http://www.olitec.com/pci56kv2.html にドライバがあります。 これは最近 (2000年9月) Denis Havlik (denis(at)mandrakesoft.com によって「発見」されました。 このページはフランス語ですが、このページにあるインストールコマンドは ボールド(太字)体の赤い文字で書かれています。 要約すると、パッケージをダウンロードし、それを tar -zxvf で展開し、 インストールスクリプト ins_all を実行します。

しかし、これは、おそらく動作しないでしょう。これで成功したのはごくわずか の人です。

このドライバに関して既に分かっていることは以下の通りです。

要するに、このドライバはまだ完全には調査されていないのです。 これ以上の議論と情報は、 http://linmodems.org でメーリングリスト のアーカイブをチェックして下さい。特に このスレッド です。あなたがこのモデムを動作させることに成功したなら、 私はあなたがどのようにしたのかを聞くことに大変興味を持っています。

5.5 Intel (もとは Ambient Technology, もとは Cirrus Logic)

Mikhail Moreyra は、CL-MD5620DT チップセット用の GPL のドライバを書きま した。これは最高 33.6kbps まで可能です。しかし、これはアルファ版のソフト ウェアであり、注意深く扱う必要があります。 ドライバは http://linmodems.org/CLModem-0.3.0.tar.gz から入手 できます。 つい最近、Gabriel Gambetta (ggambett(at)internet.com.uy)は、このドライバ にパッチをあてて標準 AT コマンドが使えるようにしたバージョンを出しました。 このバージョンは、 Rob Clarkのサイト (ここ)から入手できます。

5.6 3Com Mini-PCI

request for comments が、3Com から公式に Linmodems.org メーリングリストの ここ にポストされました。 3Com 製の miniPCI combination NIC/winmodem 用のバイナリのみのドライバが 供給可能とのことです。応答は、指定されたアドレス linmodem@new-n-used.com に 返して下さい。メーリングリストではありません。 私が知る限り、ドライバはまだリリースされていませんが Werner Heuser の miniPCI page には多くの情報とリンクがあります。


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