紙 1 枚に 1 ページ分以上印刷するには、
PostScript ファイルを処理するためのユーティリティ集、
psutils
パッケージを使いましょう。
ページ選択や再アレンジが可能で、
小冊子を印刷するための袋折り印刷や折丁まとめ、
n-up (n ページを紙 1 枚に収めること)
印刷のためのページの併合といったこともできます。
HTML ページは印刷目的には最適化されていないことがよくあります。
HTML ページを印刷するなら、
HTML から PostScript へのコンバータ html2ps
も使えます。
「このプログラムは HTML を直接 PostScript に変換します。
HTML のソースは、コマンド・ラインのパラメータ指定により、
1 個ないしは複数の URL や、ローカルのファイルから持ってくることができます。
インライン・イメージ、CSS1, 若干の HTML 4.0 の機能、といった、
幅広いレベルの HTML がサポートされています」
(訳注: The html2ps home page. html2ps version 1.0 beta 1 の時点では、 エンコーディングに EUC-JP, SHIFT-JIS, ISO-2022-JP も指定できますが、 正しく日本語の PostScript が生成されることの確認には至りませんでした)
PS 文書ないしは ASCII テキストを
2 up か 4 up で印刷するなら、mpage
も使えます。
これで、紙を 50 パーセント以上節約できます。
(訳注: 入手は http://www.mesa.nl/pub/mpage まで。 html2ps 2.5.1-pre2 は欧米のエンコーディングにしか対応しておらず、 日本語の文書では使えません)
紙を節約する方法の大事なひとつとして、紙の両面に印刷する、というものが
あります。Ben Woodard が、標準的な Linux の印刷プログラムから両面印刷
できるようにするためのlibppd
というライブラリについて作業して
います。(プリンタへのほかの小細工も大事ですが、両面印刷は最も重要です)
ベータ版をダウンロードできるページは
http://sourceforge.net/project/?group_id=1658 で、この機能をサポートし
た、変更版の lpr
も手に入ります。
mpage も同様にこの手のことをできます。マニュアルページによれば:
-jfirst[-last][%interval]
数値で指定したページのみを印刷します。first, last, interval のデフォル トはそれぞれ 1, データの最後, 1 です。 従って、-j1-10 は最初の 10 枚、-j 1%2 だと奇数ページのみ、-j 2%2 は 偶数ページのみを印刷します。
以下のように 2 回に分ければ両面印刷ができます。3 穴パンチの用紙を使う 場合は、穴がページのてっぺんに来るようプリンタにセットしてください。私 たちが使っている LaserWriter II NTX の場合だと、プリンタのトレイを引き 出したその右側です。まず、奇数ページを
-j 1%2 ...
として印刷します。
プログラムが言ってくるページ数に注意してください。(実際に印刷されるの はこの半分の枚数です)印刷が終わって、mpage が奇数枚印刷したといってき たら、プリンタのスタックから最後の一枚を除去します。そのページに対応す る偶数ページは存在しないわけですから。そして、その紙の山を、反対側に印 刷されるようセットします。(パンチ穴付きなら、穴が左に来るように) II NTX では、印刷結果は空白面を上にして出てきます。おなじく空白面を上にし て、しかし 180 度回転させて、トレイに収めてください。他のプリンタでは.. 適宜判断してください。さあ、偶数ページを逆順に印刷します:
-r -j 2%2 ...
反対面の印刷に仕掛かるまえに、 他のだれかがプリンタに来ないよう祈りましょう。
もともと、あるいは後付けで両面印刷装置が付いているプリンタの使い方に関 する説明がまだ抜けています。申し訳ありませんが、こんな高いプリンタは持っ ていないので、まだチェックすることができません。
あるいは、印刷して読むかわりに、
less
/xless
/gless
をビューアとして使ってみましょう。
PostScript 文書なら gs
,
PDF 文書なら xpdf
または acroread
(
Adobe からどうぞ)
で読めます。
何か印刷しようと思ったときは必ず、本当にハードコピーが必要なのか、
胸に手を当てて考えてみましょう。
なぜみんなモニタ経由でものを読まないのか、というと:
印刷などしないで、ハンドヘルド PC (Palm III, Newton Message Pad, Psion 5 など) を使って、読みたいドキュメントを持ち歩く人もいます。
紙の節約のまた別の方法として、 共同作業者や協力者と校正のために文書を交換する際に、 紙にプリントして行うのではなく、 コメント記入や赤線/取消線のマーキングを使う手があります。 例えば、校正は WordPerfect で書けますし、 これは共同作業者にメールで送ることができます。 WordPerfect の赤線/取消線機能を使えば変更が目に見えます。 「決定稿」ないしは「最終ドラフト」の段階になるまで、 印刷しなくても済みます。
質問: あなたはレーザー・プリンタで紙の裏面を使えていますか? 私はあまり運のいい目にあっていません。 レーザー・プリンタで使われた紙の反対側なら インクジェット・プリンタで使えます。
注文するなら、できる限り小型のコンピュータとモニタにすべきです。 これで、ゴミになる包装資材を減らせます。 たとえば、15" CRT モニタの箱は、 15" LCD モニタの箱より 2〜3 倍は大きいのです。 15" LCD モニタと、 Netwinder や E3000 のような小さなコンピュータの組み合わせでも Linux は使えるのです。
ただ、小さなモニタの場合は、環境に関してちょっと注意が必要です。 小さなモニタだと長い文書を読むのが不便なので、 画面上で読まず、ついつい印刷してしまいがちだということです。
CRT ディスプレイよりも LCD ディスプレイのほうが 毒性のある原料を多く使っており、製造工程も多いので、 実際には環境には却ってよくない、 という懸念のことを誰かが言っていました。 これ、元の情報は固形廃棄物 - かなり有形ゆえにより扱いやすい - に関するものでした。
どなたか、 この問題をはっきりと説明し、解決するのに役立つような 研究や追加調査をご存じないでしょうか?
利用済みの紙やインク、包装資材をリサイクルしましょう。
再充填可能なプリンタ・カートリッジだって使えます。 ドイツでは "Blauer Engel" (ブルーエンジェル) ラベルが貼ってあります。
レーザ・プリンタのカートリッジは、 プリンタのメッセージパネルに「トナーが減っています」とメッセージが出たら 振ってみる。そんなことで、もっと永く使えるものです。
psnup
とか pstools
の他のパーツの代りに、
Malcolm Herbert による、Perl 4 で書かれた psnup
をお奨めします。
(1994 年からあるもので、もはや保守されていませんが、
これの子孫にあたる yup
と呼ばれるものがあります。
yup からどうぞ。)
多数のオプションがあり、
4 種類のマージンと内側のガターを別々に設定できます。
いずれにせよ、縮小された文書はあまりきれいなものではありませんから、
これはマージンを減らし、
テキスト用にもっと場所を残しておくのに使えばいいでしょう。
おそらくちょっと実験が必要でしょう。(新しい数値を何度も試しては
ghostview
で結果をチェックしてみる)
普通使われるオプションは:
-p2
(または -p4
など。
むかしの psnup
の -2
に似ています)-NIH
(装飾を行わない)-l10
-r20
-b30
-t40
(それぞれのマージンを増やす)-g50
(ガターを増やす)(これらの値は用紙サイズと、オリジナルのマージン - マイナスの値もあり - に広く依存します)
psnup
のどちらも Adobe の PS,
MS-Windows の PS、そして MS-Windows の PDF ファイルから抜き出された
PostScript では使えないようです。
Computer-Modern フォント (ただしドイツ語の発音文字は無し) は、
TTF フォントとして CTAN サーバ群から手に入ります。
これらのフォントを使えば、さらに美しい文書と、さらなる紙面の節約が
できます。
pswrite
があります。
例えば Microsoft のドライバによる壊れた PostScript を修正するのに使え、
その結果、psnup
での後処理が可能になります。
この章の大部分は Wade W. Hampton によるものです。 Ralf Muschall からもいくつか提案をいただきました。