マニュアルから引用しますと、「dosemu とは、 Linux カーネルと 80386 プロセッサの特殊な機能を使って、'DOS box'と呼ばれているものの上で MS-DOS/FreeDOS/DR-DOS を動作させる、ユーザーレベルのプログラム」です。 DOS box というのはハードとソフトのトリックを組み合わせたもので、次のよ うなことができます。
o 入出力と、プロセッサ制御命令を仮想化することができる。
o iAPX86 プロセッサファミリーの「リアルモード」のワードサイズや、ア ドレッシングモードを完全なプロテクトモード環境で使えるようにする。
o DOS/BIOS システムコールをすべてトラップして、必要な処理を高速に エミュレートする。
o (行儀の悪い)DOS プログラムによって直接制御されるハードウェア環境を シミュレートする。
o ネイティブの Linux サービスを通じて、MSDOS サービスを行う。例えば、 dosemu では仮想ハードディスクを使って Linux のファイルを操作するこ とができます。
dosemu は当初は Linux 上で作成されました。現在では NetBSD でも動作し、 たぶん FreeBSD でも動作します。しかし、NetBSD 上ではグラフィックスのエ ミュレーションは動作しないようです。つまり、グラフィックスモードを使う プログラム(ほとんどの DOS プログラム)は NetBSD 上では動作しないという ことです。
dosemu は 80x86 プロセッサ(80386, 80486, Pentimu 等)上だけで動作します。
dosemu が動作するのは 80x86 プロセッサだけですが、選択肢は他にもありま す: Bochs ( http://www.bochs.com) はオープンソースのシェアウェアである PC エミュレータで、大抵の Unix (と MS-Windows)上で動作します。他にも(フリーでない)選択肢はあります。 それらについては、comp.emulators.misc FAQ をご覧ください。 この FAQ は Usenet あるいは ftp://rtfm.mit.edu/pub/usenet-by-hierarchy/comp/emulators/misc/ で入手できます。
いいえ。何らかのバージョンの DOS は必要ですが、これは必ずしも MS-DOS でなくともかまいません。 「dosemu で動作することが分かっている DOS のバージョン」の章をご覧くだ さい。
確実ではありません。Windows エミュレータである Wine ( http://www.winehq.com) を使う方が良いでしょう。dosemu 上で windows をどうしても動かしたければ、 8 章(「dosemu と MS-Windows 3.1」)をご覧ください。
1.4 節をご覧ください。
(xx/yy/zz) は xx 年 yy 月 zz日を表します。
winemu は dosemu 上で動作している WinOS/2 を示します。
dosemu のバージョン番号の付け方はカーネルと同じです。2 番目の数字が 奇数のものは(おそらく)不安定な開発者向けバージョンで、偶数のものは安定 バージョンです。この文章を書いている時点では、0.98.6 が最新の 安定バージョンで、0.99.10 が最新の開発バージョンです。したがっ て、dosemu を使いたい人は安定バージョンを入手すると良いでしょ う。
現在(99/04/09)の dosemu の最新バージョンはdosemu0.98.6であ り、以下の FTP サイトで入手することができます:
ftp://ftp.dosemu.org/pub/dosemu/
dosemu はアルファ版のプログラムであることは絶対忘れないでください。つ まり、重大なバグが含まれているかももしれませんし、新しい機能に関する説 明の文書はほとんどありません。特に開発バージョンにはたくさんバグがある でしょう。ですから、開発バージョンは積極的に開発に参加しようと思ってい る方しか使わないでください。開発バージョンのバグは報告しないでください。 その代わりにバグを直してください。
インストールや実行について、ドキュメントを読んでも解決できない問題 がある場合、まず自分自身で解決する努力をしてください。あなたの質問はた ぶん既にどこかでなされており、回答も与えられています。このような情報を インターネットのサーチエンジンを使って探してみてください。例えば、次の エンジンを使えば、あなたの質問のキーワードを含むネットニュースの最新記 事が検索できます。
http://www.dejanews.com
このようにして自分で答えを探した方が、ネットニュースなどでありがちな質 問をするよりも解決は早いでしょう。また、くだらない質問への回答で開発者 の時間を割くこともなくなり、結果として dosemu の開発も進むことでしょう。
dosemu に関する質問やバグの報告を行う場合には、linux-msdos-digest メーリングリストに参加すると良いでしょう。このメーリングリストに参加す るには、メールアドレス Majordomo@vger.rutgers.edu へ以下の内容のメールを送ります:
subscribe linux-msdos your_username@your.email.addressメーリングリストから脱退するには、アドレス Majordomo@vger.rutgers.edu へ以下の内容のメールを送ります(95/8/11)。
unsubscribe linux-msdos your_username@your.email.addresslinux-msdos メーリングリストに参加したら、linux-msdos@vger.rutgers.edu 宛にメールを送ることでレポートを送ることができます。 linux-msdos@vger.rutgers.edu へメールを送るのと同時に linux.dev.msdos へニュース記事を投稿するゲートウェイがありま す。お使いのプロバイダがこのニュースグループを配送していない場合には、 プロバイダへグループ追加を頼んでください。 質問の前には、この HOWTO を含む文書を全てしっかりと読んでください。ま た、 http://www.dosemu.org/mailinglist.html にあるメーリングリ ストのアーカイブを見て、あなたと同じ質問とそれに対する回答が既になされ ていないかを確認してください。
dosemu に文書が付属しています。主要ドキュメントである README.txt と README-tech.txt は dosemu に関する事実上ほとんどの話題を 網羅しており、この HOWTO よりも内容が新しいでしょう。
"dosemu Novice's Altering Guide" (略称 DANG) は dosemu の内部動作につ いての解説です。ソースコードを書き換えたい冒険好きの人のために書かれて います。DANG は Alistair MacDonald氏( alistair@slitesys.demon.co.uk) がメンテナンスしており、dosemu のソース内の doc ディレクトリに置かれて います。
EMU 非動作リスト(EMUfailure.txt)は、dosemu で動作しなかったプ ログラムのリストです。
もちろん、この dosemu FAQ/HOWTO もあります。もっともこの文章を読んでい る方はご存知ですよね? この文書はメイリングリストにときどきポストされ ますし、doc ディレクトリにも置かれています。最新版は http://www.dosemu.org で入手することができます。
まず最初に動作しなかった原因が dosemu の基本的な機能不足(EMUfailure に書かれています)によるものかどうか確認します。その上で新しいものだと 判断した場合、 linux-msdos@vger.rutgers.edu 宛に報告してください。 これはたぶん他の人達の役に立つことでしょう。カーネルと dosemu のバージョ ンや発生したエラーなどやあなたの設定についての詳しい情報も提供してくだ さい。xdos を使えば、カットアンドペーストを使ってエラーメッセージをメー ルに書き込むことができます。ただし、レポートはエンコードしていない可読 形式で送ってください。../etc/config.dist の内容はわかっているので、 dosemu.conf の有効な行だけを送ってください。デバッグ出力の一部または全 てを有効にして dosemu を実行し、デバッグ出力を一通り見て、関係があると あなたが判断した部分だけを送ってください。他人のためのデバッグをするた めに、メールに添付された長いデータをわざわざデコードして読む人はほとん どいません。しかし、詳細な部分を聞かれた場合のために、ログは捨てたりし てはなりません。
望ましい方法は、dosemu-HOWTO-xx.x.sgml を変更し、次のよう なコマンドを実行して差分ファイルを生成することです。
diff -uw original-file new-file
それから、このファイルを
davidhodges@altavista.iname.com
宛に送ってください。SGML をご存じなくても結構です。変更や新しい情報は
どんな形式でも受け付けています。diff ファイルで送って欲しいというのは、
単に HOWTO のメンテナが楽をするためです :-)
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まとめると、我々としてはできる限りたくさんの経路を通じてこの情報を普及 させたいのです。しかしながら、HOWTOドキュメントの著作権を保持しておき たいですし、HOWTOを再配布する場合には連絡してほしいのです。
質問があれば、Linux HOWTO 世話役の Greg Hankins (gregh@cc.gatech.edu) に連絡してください。