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1. はじめに

"言ってはいけないことは沈黙に置き去りにしなければならない。"

Ludwig Wittgenstein (1889-1951), オーストリアの哲学者

ベンチマークとは計算処理の速度を 測定 したもので、色々な ハードウェアとソフトウェアのシステム設定の比較に用いられます。 ベンチマークは ユーザの使いやすさや、美的感覚、人間工学的検討や他の主観的な意見 には関係がありません

ベンチマークは退屈で反復の多い作業で細部に注意を喚起するものです。 かなり頻繁にその結果は期待に反するもので、(ベンチマークの手順の 殆んど重要な部分を占める) 解釈の題材になります。

最終的に、ベンチマークは意見や近似値ではなく事実と数値を扱います。

1.1 ベンチマークは何故そんなに重要なのか ?

意思決定

BogoMips Mini-HOWTO (セクション 8, 第 2 段落) に指摘される理由とは 別に、時折、Linux マシンにかけられる限られた予算と/又は最低限の性能 要求に直面する場合にベンチマークは重要です。言い換えれば、次の質問を 対比することになります。:

ベンチマークを調査、比較、作成しなければなりません。 性能要件が無い場合、通常 (ガレージにあるような古い 386SX-16 マシンに 相当する) 残りの部品で組んだベンチマークの必要のないマシンの費用の 最小化と、費用の制限がない場合の最大性能のマシンについての性能の 最大化の作業は実世界にはありません。 (皮カバーのかかった電源装置が回りに置いてある Cray マシンは 個人の居間に置くには魅力的ですがこのような事は除きます。)

このようなベンチマークは無意味で時間と金の無駄です。例えば 2 つ 3 つの 内から選択しなければならない場合など決定過程の一部としてしか意味があり ません。

コンピュータシステムの可用性、客への対応、信頼性、戦略的理由や その他合理性のある測定可能な特徴づけ等がありますが、 通常、決定過程における他のパラメータは費用です。 色々なカーネルのバージョンの性能を比較するとき、例えば 安定性常に 速度より重要です。

Linux の進歩

Linux は常により効率よく、Unix に互換性のある実装に向けて進化している ので、種々のアルゴリズム (ハードディスクのアクセス、タスクスケジュー ル等) での効率性と安定性を測定したくなるでしょう。ベンチマークは ボトルネックを発見したり、失敗する条件 (例えば負荷が重い場合) の 可能性を発見するのに役に立つでしょう。

1.2 無効なベンチマークの検討

残念ながら、ニュースグループやメーリングリストで良く見られる事に:

  1. 製造者の評判 (測定不可能で意味がありません)
  2. 製造者の市場占有率 (意味がなく不適切です)
  3. 不合理な要因 (例えば、迷信とか偏見 : 131313Z というプロセッサを買ってピンクに塗りました ? とかね)
  4. 誇大な宣伝: 筆者が思うに最悪です。個人的には "humhumhum inside" とか "kkkkkws compatible" というロゴにはうんざりしています。 (今では "aaaaaPowered" が流行っているけど、次はなんでしょう ?) こんなキャンペーンに巨額の費用を費やすぐらいなら、新しくて速く て (安くて :-) バグのないプロセッサを作った方がよろしいでしょう。 誇大な宣伝を止めて、このマザーボードに差してある新しいプロセッサ の FPU の浮動小数点のバグを取るか若しくは再開発するプロセッサと 交換するかが良いでしょう。
  5. "お金を払って欲しいものを手にいれる" という意見はごもっとも です。 冷静で、現実的な事実 を教えてください。


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