オフィシャル Red Hat Linux 入門ガイドへようこそ。
このガイドは、オフィシャル Red Hat Linux x86インストールガイドをよく読み、Red Hat Linuxを無事にインストールした後に読むものです。このガイドには、初級または中級のユーザーが、Red Hat Linuxのシステムをナビゲートし、共通のタスクを実行するのに必要な情報が載っています。
このガイドは、タスク指向のガイドです。役に立つ情報、ヒント、警告、スクリーンショットが多く載せられています。はじめは、デスクトップのカスタマイズ、プリンタの設定、オンラインへの接続といった、Red Hat Linuxの使い方の基本について説明します。基本について理解した後は、少しずつ難しいタスクへと移っていきます。
大半のユーザーは、2つのグラフィカルなデスクトップ環境、GNOMEまたはKDEのどちらかを選んで作業を行います。オフィシャル Red Hat Linux 入門ガイドは、主にこれらの2つの作業環境における作業方法に重点的に扱います。
このガイドで扱うトピック
2つのグラフィカルなデスクトップ環境、GNOMEとKDE
ファイルとディレクトリの管理
ファイルシステムのナビゲート
インターネットへの接続方法
アプリケーションのアップグレード
よく寄せられる質問
頻繁に使われる技術用語の解説
Red Hat Linuxシステムの基本について学んだら、次はさらに高度なトピックにチャレンジしてみましょう。それには、オフィシャル Red Hat Linux カスタマイズガイドとオフィシャル Red Hat Linux リファレンスガイドをお読みください。すべてのマニュアルは、 http://www.jp.redhat.com/support/から、HTMLとPDF形式で入手できます。
新しいオペレーティングシステムについて学ぶときは、同時に新しい用語についても学ぶ必要があります。このマニュアルを読み進める前に知っておくべき基本的な用語をいくつか紹介します。これらは頻繁に登場する用語です。
シェルプロンプト : —ユーザーとオペレーティングシステム間のソフトウェアインターフェイス（DOS画面と似ている）。シェルが、ユーザーが入力したコマンドを解釈し、それらをオペレーティングシステムに渡します。シェルプロンプトは、コマンドラインを表示します。
コマンドライン : —シェルプロンプト内にある、コマンドが入力される場所。
コマンド : —コンピュータに与えられる命令。通常、キーボードかマウスによって与えられます。
グラフィカルユーザーインターフェイス（GUI） : —ユーザーがクリックし機能を開始するアイコン、メニュー、パネルのある画面。
GNOMEとKDE : —Red Hat Linuxに付随する2つの一般的なGUI。
パネル : —GUI環境のツールバー。通常、画面の下部にあります。パネルには、メインのメニューボタンのほかにさまざまなものが含まれていて、ユーザーはそのパネルをカスタマイズすることができます。
root : —インストール中にrootユーザーアカウントが作成され、このアカウントにシステムへの完全なアクセス権が与えられます。システム管理タスクには、rootとしてログインしていない限り実行できないタスクがあります。一般のユーザーのタスクをrootアカウントを使わずに行えるように、ユーザーアカウントが作成されます。それにより、システムにダメージを与える確率が小さくなります。
su と su - : — su コマンドは、システム上のルートアカウントかその他のアカウントへのアクセス権を提供します。まだ自分のユーザーアカウントシェル内にいる間にrootに su を実行するか自分のrootアカウントに切り替えると、重要なファイルシステムにアクセスすることができます。そして、それらに永久に変更を施したりダメージを与えたりすることが可能になります。su - コマンドを使ってログインすると、rootアカウントシェルでroot としてシェルコマンドを実行することが可能になります。su - を使ってrootとしてログインすると、 suコマンドでは認識されない特定のコマンドを実行できます。rootとしてログインしているときは注意しましょう。
manページ と infoページ : —man（マニュアルの略）とinfoページは、コマンドまたはファイルに関する詳細な情報（通常、infoページよりmanページの方が、簡単で説明が少ない）を提供します。たとえば、 su コマンドのmanページを読むには、シェルプロンプトで man su （infoページの場合は、 info su ）と入力します。ページを閉じるときは、 q を入力します。
X または X Window System : —これらの用語は、GUI環境のことを指します。「Xにいる」とか「Xを実行している」と言う場合、コンソール環境ではなく、GUI環境で作業しているということを意味します。
コンソール : —コンソール、シェルプロンプト、ターミナル、「DOSに似た画面」—これらはすべて同じことを意味します。つまり、グラフィカルでないインターフェイスのことを指します。この環境にはアイコンもメニューもなく、タスクを実行するためには、マウスでポイントしたりクリックしたりする代わりに何かを入力しなければなりません。