JF で翻訳できるぞ mini HOWTO(日本国限定版)
高橋 聡 hisai@din.or.jp
v1.0, 10 Jan 2000
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目次
1. はじめに
2. 著作権
3. 「翻訳」を学べる本
4. 良く使う辞書
5. インターネット上の辞書と検索エンジン
6. おわりに
7. 謝辞
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1. はじめに
私は資格というものを一切持っていません。もちろん TOEFL、TOEIC は言うに
及ばず、英検 4 級すら持っていません。学生時代も英語が苦手で、英語のせ
いで浪人しました。文学部だったのにねえ。
車の免許証もソロバンも書道もピアノも情報処理も何もかも持っていない。
持っているのは幼稚園から大学までの卒業証書だけ。あ、会社でやってる「み
んなの提案」の表彰状も持ってるなあ。
文系出身の私が、何の因果か 30 過ぎからシステム管理の職場に入り込んだの
が運のつき、 man から はじまりソフトウエア、ワークステーション、ネット
ワーク機器、 RAID ディスク等、英文マニュアルの山脈が眼前に立ちはだかり
ました。とにかく読まないと仕事になりませんから、わからないなりにあきら
めずに繰り返し読みました。同時に読んだものを書いてみるようになりまし
た。それが私の「翻訳」作業のはじまりです。こんなもんです、人生は。
さて私の自慢はこれくらいにして、JF で翻訳をするに当たって役に立つ、
o 「翻訳」を学べる本
o 良く使う辞書
o インターネット上の情報源
をまとめてみます。「これで完璧!」、「これだけ読めばあなたもスペ
シャリスト!」とは間違っても言えませんが、どこからはじめていいのか
迷っている方の参考程度にはなると思います。少なくともこの位やれば私
並には翻訳できるはずです(じゃあ駄目ね、とは言わないでね)。
2. 著作権
Copyright (c) Satoru Takahashi 1999
このドキュメントは GNU パブリックライセンス(GPL)バージョン 2 かそれ以
降に基づいて配付可能です。
3. 「翻訳」を学べる本
o 安西 徹雄:『翻訳英文法』(バベル・プレス,1982)
o 江川泰一郎:『改訂三版 英文法解説』(金子書房,1991)
いずれも学校で習った「英文解釈」と実際の「翻訳」のどこが違うのか、
わかりやすく書いてあります。ペアにしてつらつら読まれると良いと思い
ます。英文法の教科書よりはるかにわかりやすくおもしろいと思います。
o 富井 篤:『新・実務英語入門 書き方と訳し方』(日興企画,1997)
上記よりもっと実務的な内容です。ただし専門的なかたい内容ではありま
せん。
o 木下是雄:『レポートの組み立て方』(ちくま学芸文庫,1994)
o 本多勝一:『日本語の作文技術』(朝日文庫, 1982)
o 本多勝一:『実戦・日本語の作文技術』(朝日文庫, 1994)
o 藤沢晃治:『「分かりやすい表現」の技術』(講談社ブルーバック
ス,1999)
翻訳についての本ではありませんが、明解な文章を書くには何に注意すべ
きかをわかりやすく書いてあります。どれでもお好きなものをどうぞ。
正直言って、全部内容を理解しているわけでも、覚えているわけでもありませ
ん。「あれ、確かどこかにこれと似たようなのあったけなあ」という程度で
す。でも読んであるのとないのとでは大違いです。
4. 良く使う辞書
o 『英辞郎 』 (Electric Dictionary
Project(EDP),?)
o 『リーダーズ+プラス (EPWINGCD-ROM 版)』(研究社,1996)
まず「英辞郎」 で引いてみて、それで
ピンとこない場合は「リーダーズ+プラス」で調べます。それでも駄目な
ら、後ほど触れるインターネットをさまよってみます。
「英辞郎」 はテキスト・データも付いて
きますので、単純に vim から grep しています。それで十分間に合ってま
す。
「リーダーズ+プラス」は、bookview のお世話になっています。
なおこれら電子辞書の賢い使い方は、 UNIX上で電子辞書を活用しよう
に詳しい情報があり
ますので、そちらをごらんになってください。
o 時事通信社[編]:『最新用字用語ブック 第 2 版』 (時事通信社,1995)
いわずとしれた用字用語辞典です。いろいろな出版社からいろいろな用字
用語が出ていますが、私はたまたまこれを利用しています。送り仮名の付
け方とか漢字の確認、漢字を開く(平仮名表記にすること)か開かないかの
判断に使用しています
o 野元 菊雄[監修]:『早引き 連想語辞典』(ぎょうせい,1994)
国語辞典を使わずにもっぱらこれを使っています。ボキャブラリが少ない
せいか、同じ表現が続いた場合や何か収まりの悪い表現だなあ、と思った
時に使用します。ひとつの言葉から、「次々と」言葉をつなげて引けるの
がとても良い具合です。この本の良さはちょっと文章では表現しづらいの
で、できれば書店で実際に見てください。
なお書籍を捜すなら も利用してみてくださ
い。
5. インターネット上の辞書と検索エンジン
上記の辞書でわからない場合は、地元の図書館に行って調べていましたが、今
はもうインターネットで引きまくっています。「言われなくてもわかってるっ
て!」と言われそうですが、とりあえず良く使うものだけ紹介させてくださ
い。
A Web of On-line Dictionaries
オンラインで引ける辞書のリンクの集大成です。とても全部引けない
Translators' Internet Resources
分野別にカテゴリ分けされた辞書リンク集
Dictionaries' Dictionary Search
上記と同じ(日本語)
FOLDOC - Free On-Line Dictionary Of Computing
文字通りのフリーなコンピュータ関連辞書
International Development Insutitute
コンピュータ/通信関連の略語集
ASCII Glossary Help
ASCII 社が提供している日本語のコンピュータ関連の辞書。引用に 制
限 あるので、注意!
Jargon File Resources
ハッカーの方々が使われる言葉を集めたものです。「綴りが間違っとる
ぞ!」と著者に mail する前に見てみましょう。そうでなくとも見てみ
ましょう。
もしかしたら、あなたもハッカーな方々の気分を感じることができるか
もしれません。
Deja.com
多分野検索エンジン。私はもっぱら Usenet の検索に使用
QUEEN NetNewsSerch
fj japan の検索エンジン
The Mail Archive
米国の ML 検索エンジン
Super Searcher Terminal -MYCOM-
複数のサーチ・エンジンをまとめて利用できる
many kinds of Search Engines
上記と同じ
シソーラス辞書検索
同義語、広義語、狭義語、関連語を検索できる
これでもわからない時は、その分野に関連しそうな会社を捜して、技術資料や
カタログを見るとわかることがあります。
6. おわりに
さあここまでくれば、あなたも「立派な」JF 翻訳メンバーの有資格者です。
そういう私も問答無用な「自称」立派なメンバーです。 JF-ML に入って一緒
に気楽に訳しませんか? 豊かな老後のためにも、あなたのライフ・プランに
加えてみませんか
(^^)。
ここまで読んで興味を持たれた方は是非 JF Project
を御覧ください。
JF-MLでお会いしましょう。
7. 謝辞
この HOWTO を書くに当たって、JF ML の皆さんにお世話になりました。この
場をかりてお礼を申しあげます。