Linux Ecology HOWTO Werner Heuser < wehe@snafu.de > Wade W. Hampton v0.6, 01 March 2000 JF Project 6 March 2000 Ecology-HOWTO は、Linux マシンにある電力や紙の消費を抑える機能を使っ て、我々の環境をいかにして守れるかについて述べています。 Linux はでか いハードウェアを必要としませんから古いコンピュータで使うことができます し、こうやってコンピュータのライフ・サイクルを延ばすことができます。ゲ ームを環境問題に関する学習に用いることもできますし、ソフトウェアを生態 系のシミュレーションに使うこともできます。 ______________________________________________________________________ 目次 1. はじめに 1.1 目的 1.2 注意 1.3 この文書と著者について 1.4 和訳 2. 電力消費の低減 2.1 Advanced Power Management (APM/ACPI) 2.1.1 Linux との互換性のチェック 2.1.2 はじめに 2.1.3 注意 2.1.4 トラブルシューティング 2.1.5 ACPI 2.2 モニタを消してキーボード LED を使う 2.3 スクリーン・セーバ 2.4 Energy Star マーク 2.5 その他の節電テクニック 3. その他の電源供給装置 - 太陽, 風, 水 4. 騒音低減 4.1 ファン 4.2 ハードディスク 4.3 スピーカ 5. 消耗品の低減 (紙、インク、その他) 5.1 ドラフトの印刷 / 複数ページを紙一枚に印刷する 5.2 紙のかわりにモニタから読む 5.3 他のテクニック 6. 消耗品のリサイクル (紙, プリンタのカートリッジ, CD, フロッピー, テープ) 7. 放射線、電磁波、熱を減らす 8. ハードウェアの寿命を延ばす 8.1 ハードウェアのリサイクル 8.1.1 サポートされている CPU ファミリ 8.1.2 限られたリソースでしのぐ、システムをチューニングする 8.1.2.1 関連する HOWTO 文書 8.1.2.2 はじめに 8.1.2.3 狭いディスクスペース 8.1.2.3.1 はじめに 8.1.2.3.2 テクニック 8.1.2.4 ハードディスクの速度 8.1.2.5 少ないメモリ 8.1.2.5.1 関連する HOWTO 文書 8.1.2.5.2 テクニック 8.1.2.6 遅い CPU スピード 8.1.2.7 小粒なアプリケーション、ディストリビューション 8.2 その他の技 8.3 他のオペレーティング・システム 9. X10 - ホーム・オートメーション・システム 10. 無停電電源装置 - UPS 11. ゲーム 12. 生態学ソフトウェア (シミュレーション, データ収集, 統計, その他) 12.1 Ecolab 12.2 OpenClassroom 12.3 Tierra 12.4 環境問題調査における Linux 13. 関連プロジェクト、メーリングリスト、ニュースグループ 14. 謝辞 14.1 和訳に関する謝辞 15. 改訂履歴 15.1 和訳改訂履歴 16. 著作権と責任放棄 17. 付録 A - ラップトップで Linux 17.1 バッテリ 17.2 PCMCIA カード・サービスと APM (Advanced Power Management) 17.3 電力節約のテクニック 18. 付録 B - パラレルポート接続型 MP3 ハードウェア・デコーダ 19. 付録 C - 参考文献 20. 付録 D - 新しいコンピュータを買うときのお奨め 21. 付録 E - 環境にやさしい新ハードウェア設計 22. 付録 F - コンピュータ関連のエコ・マーク 23. 付録 G - その他のオペレーティング・システム 23.1 DOS 23.2 MS-Windows 24. 付録 H - リサイクル業者の URL ______________________________________________________________________ 1. はじめに Life is the first gift, love is the second, and understand- ing is the third. ひとつめの贈りものはいのち、授かるもの ふたつめは愛、授けるもの みっつめは理解、それは見つけるもの - Marge Piercy コンピュータは環境汚染の一環として見られたりもしますが、もっと環境保護 に合ったコンピュータの使い方もあるのです。なので私は、Linux でそうする ための手法を集めはじめました。 1.1. 目的 この HOWTO の目的は: o 電力消費の低減。 o 紙やインクといった消耗品の低減。 o 古い部品を再利用、継続利用して廃棄物を低減。 o 使用済み電池といった有毒廃棄物の低減。 o 環境に関する学習と研究への Linux の利用。 1.2. 注意 この文書にある推奨事項には、物議をかもしたものもあります。たとえば「節 電のため使わないときは機器の電源を切りましょう」ですが、いかなる状況下 でもこうだとは限りませんし、機器の寿命が縮まる可能性といった、他の環境 的な負荷がかかるかもしれません。 こういった選択肢の決断に関して、私の技術的な知識は充分ではありません。 人によってはまた別の判断ともなるでしょう。ですから、どちらを取るのか、 最後の決断を行うのはあなたです。なんにせよ、もっとよい選択肢をご存じで したら教えてください。 1.3. この文書と著者について プログラムやパッケージの URL を示していない場合の入手については Debian 、また RPM パッケージの場合はお好きな RPM サー バ、例えば Rufus からどう ぞ。 私の Laptop-HOWTO と IR-(InfraRed)-HOWTO の章を抜き出して手を加えたもの もこの文書には入っています。 この文書は LINUX DOCUMENTATION PROJECT に収めら れています。 この文書の最新版は Ecology and Computers にあります。 Wade W. Hampton はこの一文に多大な情報をもたらしてくれたので、共著者と しました。とはいえ、間違いがあったらすべて私の責任です。 森本 淳 が日本語版 を出しています。 この HOWTO に関するコメント、質問はどうかお気軽にお知らせください。完 成しているとか、完璧だ、なんてものではないことは分かっていますから。と もあれ、何かしらこれが役に立ってくれるといいなとは願っています。 Werner Heuser 1.4. 和訳 森本 淳 $Id: Ecology-HOWTO.sgml,v 1.7 2000/03/05 15:12:22 morimoto Exp $ 2. 電力消費の低減 コンピュータ使用時の電力を抑える方法は Linux にもいくつかあります。 Advanced Power Management (APM) やハードディスクの設定、モニタを使わず に作業する、など。 2.1. Advanced Power Management (APM/ACPI) 2.1.1. Linux との互換性のチェック Battery-Powered-mini-HOWTO によれば、「…ノート PC や省電力機能付きデ スクトップ PC で APM を機能させるためには、そのマシンのシステムの BIOS ROM が APM スタンダードをサポートしていなければなりません。さらにいえ ば、 Linux オペレーティング・システムで APM を効かせるためには、システ ム BIOS ROM は APM スタンダードのバージョン 1.0 か 1.1 と、 32 ビット のプロテクト・モードでの機器接続をサポートしている必要があります。お奨 めは APM 1.1 をサポートしているシステムのほうです。より多くの機能があ り、デバイス・ドライバとサポート・ユーティリティが恩恵を受けられるから です」 (訳注: Battery-Powered-mini-HOWTO は和訳があります ) APM のバージョンに関する情報は、dmesg コマンドや、 /proc/apm ファイル をのぞくとあります。 2.1.2. はじめに Linux をインストールしたばっかりなら、恐らくカーネルをリコンパイルする 必要があります。お使いのディストリビューションについてくるカーネルで は、 APM はたぶん利用可能になっていないでしょう。 APM サポートは二つの部分から成り立っています: カーネルのサポートと、ユ ーザのプログラム層でのサポートです。 カーネルサポートを使うには、該当するカーネル設定のセクションをオンにし ます。私の知る限りではすべての機能がラップトップ PC で使えるとは限りま せんが、これまた私の知る限りでは、 CONFIG_APM_POWER_OFF はほとんどの ラップトップで使えるようです。 ユーザーランドサポートのためのユーティリティは、 http://www.worldvisions.ca/~apenwarr/apmd/ にあります。 APMD は、現 在のラップトップ・コンピュータほとんどについている Advanced Power Management システムを制御するプログラムの集合です。 もし 2.2.x カーネルを使っていて、実験をしてみたいのなら、 APM BIOS が 直接サポートしていない場合でも Linux をシステムごとハイバネーションさ せられるカーネル・パッチを Gabor Kuti が出 しています。 Richard Gooch 曰く: 以前 apmd のベータ版を試してみたんだけど、こんな理 由で気に入らなかった: o サスペンドに入るときに実行するよう設定できるコマンドが 1 個だけ。 o ユーザが行うサスペンドと、システムが行うそれとを区別していない。 o (sync(); sleep(0) ; sync(); sleep(1); というシーケンスを行うポリシ を切る手段が用意されていない) o 追加機能に関するドキュメントがない。 o ぼくらが欲しているものが、この一個のでかいデーモンなのか、確証が持 てない。もっと小さなデーモンの組合わせのほうが、欲しいものだけ選ん で使えるからいいだろう。ちょっとした機能一種類だけが欲しいような場 合に、でかいデーモンはデブすぎる。 この話題は論争になっていましたが、彼 Richard Gooch は suspendd という パッケージを http://www.atnf.csiro.au/~rgooch/linux/ に置きました。 apmcd (apm ベースの crontab) ftp://ftp.binary9.net/pub/linux/ も見てみてください。 Nicolas J. Leon http://mrnick.binary9.net/ によるツールです。 注意: この機能が 1 個のパッケージ (そのうち apmd になるでしょう) にマ ージされたのかどうか、私はチェックしていません。 2.1.3. 注意 他のオペレーティング・システムがインストール済みだとか、別のオペレー ティング・システムを同じハードディスクで使うのであれば、 Linux に手ひ どい障害を与えるような他の "ハイバネーション" や "サスペンド" ツールが がインストールされていないことを確認してください。例えば、 Linux が占 有しているディスク・スペースを使っちゃう、とかいったものです。 2.1.4. トラブルシューティング お使いのマシンが 2.2.x でなく 2.0.x カーネルで動いている場合、 Klaus Franken kfr@klaus.franken.de の、このアドバイスをどうぞ: 「2.2 ではデ フォルトが変わっています。 halt を呼んでいる初期化スクリプト (init- scripts) を探して、 halt -p か poweroff に変えてください。 man halt 参 照のこと。もしこのオプションがない場合は、新しいバージョンの halt が必 要です」これは SysVinit パッケージにあります。 X ウインドウ・システムと APM は、一緒にはうまく動かなかったり、マシン ごとハングすらしたりするときがあります。 Steve Rader からのお勧め: apm -s を実行すると、X サーバがハングする Linux システムがあります。この難儀に対する言い伝えとしては、仮想コンソ ールに切り替えてサスペンドさせる、つまり root 名義で chvt 1; apm -s と かなんとかする、あるいはもっと具体的に sudo chvt 1; sudo apm -s とす る、というものがあります。僕はこのコマンドをスクリプト、そう、my- suspend というのに入れていて、 xapmload --click-command my-suspend と して使っています。 新型のマシン (例えば HP Omnibook 4150 の 366 MHz モデル) では、 /proc/apm ファイルにアクセスすると、カーネル・フォールト general protection fault: f000 に見舞われたりするものがあります。 Stephen Rothwell http://www.canb.auug.org.au/~sfr/ の説明では: 「これは、そのマシンの APM BIOS がプロテクト・モードの最中にリアル・モ ードのセグメントを使おうとするからです。言い換えれば BIOS のバグ… 最 近この手のものに出会ったのですよ。他のすべての機種では、BIOS の電源を オフにするコードのところで、電源をオフにしようとする前にリアル・モード に戻って回避できているのですが。このマシンでは、できていないのです」 2.1.5. ACPI 最新の標準は ACPI です。 ACPI4Linux プロジェクトは 1999 年のはじめにス タートしました。これはカーネル・ドライバのプロジェクトで、 Linux にお いて ACPI のフル・サポートを実装するのが狙いです。ファンの制 御、dock/undock の検出、それに WindowMaker のドッカブルな温度メーター も含まれています。 http://phobos.fachschaften.tu-muenchen.de/acpi/ で行けます。 1. hdparm hdparm は Linux の IDE ディスク・ユーティリティで、スピン・ダウン (回転停止) のタイムアウトといったディスクのパラメータを設定できま す。SCSI の機能についても設定できるものがあります。 2. Mobile Update Daemon mobile- update は標準の update デーモンに換われるもので、ディスクのスピン・ アップ (回転開始) を最低限にし、ディスクの回転稼働時間を低減しま す。これは、自分以外のディスクへの活動があるときにだけバッファをフ ラッシュします。ファイルシステムの一貫性を保つためには、sync を手で 実行します。 mobile-update は APM を使わないので、古いシステムでも 使えます。 3. Toshiba Linux Utilities これは、東芝の Pentium 採用ノート PC 用のファンの制御、スーパーバイザ・パスワード、ホッ ト・キー機能といった Linux 向けユーティリティの集まりです。 KDE パッケージ Klibreta もあります。 4. LCDproc 「LCDproc は、20x4 行のバックライト付き LCD ディスプレイにリアルタ イムに Linux システムの情報を表示してくれる小さなソフトです。私の知 る限り、これは外付けの Matrix-Orbital 20x4 LCD ディスプレイ Matrix- Orbital にのみ接続できます。シリア ル・ポートに接続する LCD ディスプレイです」 5. Dial Daemon diald デー モンは、 SLIP ないしは PPP を使ったオン・デマンドなインターネット接 続を提供します。 diald は必要な時にリモート・ホストに自動ダイヤルし たり、インアクティブなダイヤル・アップ接続を落としたりできます。 2.2. モニタを消してキーボード LED を使う モニタなしでもコンピュータから情報を受け取れるようなツールがあります。 o bl : キーボード LED を点滅させる o blinkd : 「アンサリング・マシン(電話の自動応答装置)やファックスの ために、キーボードの LED を点滅させます。 blinkd はクライアント/サ ーバ構成になっており、ボイス・ボックスにかかってきた電話やスプール に入っているファックス入電の数といったようなものを、キーボードの LED を点滅させて教えてくれます」 o mailleds : キーボード LED で新着通知。 mailleds は、静かに控え目 に、新しいメールが届いていることを教えてくれます。新着メールがある と、ユーザ・デーモンが LED を点滅させてくれます。 o tleds : ネットワークのパケットの TX と RX をキーボード LED を点滅 させて知らせます。パケットがマシンから送出されたときには Scroll- Lock LED、受信したときは Num-Lock LED を点滅させます。 2.3. スクリーン・セーバ スクリーン・セーバはスクリーンを焼き付きから防いでくれているだけでしょ うか? 電力も「セーブ」してくれているでしょうか? Wade W. Hampton からのちょっとしたお勧めです: 普通、スクリーン・セーバはグラフィックスを表示したり、地球外知的生命体 を探したり、あるいは別のことをしたりします。このようにスクリーン・セー バを使っている場合、おそらく実際にはあなたは余分に電力を消費しているこ とでしょう。例えば XSETI をスクリーン・セーバに使っている場合、文書を 編集しているとか、コンパイルしている場合よりはるかに熱くなっている (す なわち、より電力を使っている)でしょう。 本当に消費電力を減らしたいのならば、そしてお使いの X サーバとモニタが サポートしているなら、 xset の dpms オプションを使いましょう (xset に ついてはマニュアル・ページ参照) 例えば、X サーバで DPMS (Energy Star) 機能を利用するには xset +dpms とします。 手でコマンドを打って X ディスプレイのモードを変えることもできます: ______________________________________________________________________ xset dpms force standby xset dpms force suspend xset dpms force off ______________________________________________________________________ スクリーン・セーバ・プログラムをいくつか挙げます: o xscreensaver の目的は、映画の中に出てくるコンピュータのシーンがそう であるように、使っていないときにスクリーンに素敵な画を出し、空いて いるモニタには常に面白い何かが表示されているべきだ、という思想をつ らぬき通すことにあります。このプログラムがもたらす、 xlock と xautolock の組み合わせに勝るおいしさは、新しいディスプレイ・ハック を簡単にインストールできるということにあります。新しいディスプレ イ・モードを追加するには、 xscreensaver 自身をコンパイルし直したり する必要はなく、ただリソースの設定をちょっと変えればいいだけなので す。スクリーンのルート・ウインドウに描画するよう指定して起動できる ようなプログラムなら何でも、変更なしにスクリーン・セーバとして使え るのです。 スクリーン・セーバとして走らせられるプログラム側には、スクリーン・ セーバであるとは何を意味するのか。といったような特別の知識は必要あ りません。 o LockVC は、スター・フィールド (飛び散る星屑) スクリーン・セーバと組 になっている、コンソールをロックするプログラムです。仮想コンソール 上で LOCKVC を実行すると、スター・フィールドが出現し、x, y, z 軸す べてについて回転を始めます。 2.4. Energy Star マーク (訳注: 財団法人 省エネルギーセンターでは、国際エネルギースタープログラ ム としています。本文書では、上記名称があまり一般的でないと思えるこ と、市販されている機器に張られているシールなどで `Energy Star' の表記 が目に触れることが多いことから、そのまま `Energy Star' を使っています) Robert Horn は書きました: 「以前、デスクトップ・プリンタの設計者たちと Energy Star について議論 する機会がありました。彼らは周辺機器によって決まる、許された待機電力の 目標を満たしました。というか、彼らは自分たちの目標についてしか知らな かったのですが。しかし、興味深い意見を述べてくれました: 1. Energy Star 基準は、かなりの動作中の節電につながります。タイマー・ ベースの節電は例外ですが。ほとんどの節電効果は、低消費電力動作をオ ン・デマンドで行う設計からくるものです。例えば、消費電力の高いモー タの代りに低消費電力のステッピング・モータを使うなどします。 この節約効果は、各々の設計と、低消費電力の製品への要求から来るもの で、より良くて安価な低消費電力製品の設計を産みます。 (常時稼働して いる)1 個のモータにいろんなクラッチを組み合わせるといった古いスタイ ルの設計 (例: タイプライター) は、もはや最小のコストではないので す。 2. Energy Star は良い組織的エンジニアリングでした。アイドル状態での電 力消費を低減させるための設計変更を行うことに反対するのをより難しく するような、品質や性能の妥協を設計者に決して要求したりしません。部 品が停止した、そのミリ秒の間に節電のほとんどは始まるので、こういっ た節約は無視できないのです。 3. PC の電力のクラス分けは、その消費量ではなく、安全度によるものです。 なので、PC で一般的に使われている 235W や 300W の電源は、その安全範 囲を示しているのです。実際の電力消費はもっと少なく、通常、安全範囲 の 20〜30 パーセントです。スイッチング電源の電力消費を計るのは実際 には困難だと設計者は言っています。専用に設計された電力計が必要だ と。普通の AC メータはモーター向けに設計されているもので、スイッチ ング電源にはむしろ不正確です。 ...」 2.5. その他の節電テクニック 電力消費をさらに抑えるため、Linux は idle cycle の間 CPU を halt しま す。 OS/2, Windows 3.1/95, NT, Linux に関する初期のリポートでは、アイ ドル・ループをぶん回ってばかりで電気を食う DOS ベースの OS に比べ、 Linux は遥かに低い電力しか消費しないことが示されていました。 -- 検証に は調査が必要でしょうから、この部分は書き替わるかもしれません。 ほとんどの Linux ユーザは、そうしてよければ、年がら年中コンピュータを そのまま(動いたまま)にしておきがちです。しかしながら、最近の BIOS には 無人の電源オンをサポートしているものがありますし、cron を使えば無人 shutdown さえもできます。コンピュータを毎晩つけっ放しにしておく必要は もうありません。 3. その他の電源供給装置 - 太陽, 風, 水 Eklektix にあるリンク調査結果も見てみ てください。 4. 騒音低減 コンピュータから出る騒音のほとんどは、ファン、ハードディスク、スピーカ から生まれます。 4.1. ファン o libsensors0 温度/電圧/ファンのセンサを読み取るライブラリです。 o lm-sensors 「温度/電圧/ファンのセンサを読み取るカーネル・ドライバ です。 LM78/79 チップの温度/電圧/ファンのセンサと、可能なら SMBus (通常は Pentium Pro, Pentium II システムに備えられる System Management Bus) のセンサから読み出すモジュールです。 LM80 と、W83781D と呼ばれる LM78 のクローンもサポートされています」 http://www.lm-sensors.nu/ o ACPI は APM の章を参照。 4.2. ハードディスク man hdparm 参照。 4.3. スピーカ 執筆予定。PCMCIA-HOWTO (和訳 ) 参照。やっぱり「音響再生板除去手術 (スピーカーレクトミー 術、Speakerrektomie)」に限りますかね。 5. 消耗品の低減 (紙、インク、その他) 5.1. ドラフトの印刷 / 複数ページを紙一枚に印刷する 紙 1 枚に 1 ページ分以上印刷するには、 PostScript ファイルを処理するた めのユーティリティ集、 psutils パッケージを使いましょう。ページ選択や 再アレンジが可能で、小冊子を印刷するための袋折り印刷や折丁まとめ、 n- up (n ページを紙 1 枚に収めること) 印刷のためのページの併合といったこ ともできます。 HTML ページは印刷目的には最適化されていないことがよくあります。 HTML ページを印刷するなら、 HTML から PostScript へのコンバータ html2ps も 使えます。「このプログラムは HTML を直接 PostScript に変換します。 HTML のソースは、コマンド・ラインのパラメータ指定により、 1 個ないしは 複数の URL や、ローカルのファイルから持ってくることができます。インラ イン・イメージ、CSS1, 若干の HTML 4.0 の機能、といった、幅広いレベルの HTML がサポートされています」 (訳注: The html2ps home page . html2ps version 1.0 beta 1 の時点では、エンコーディングに EUC-JP, SHIFT-JIS, ISO-2022-JP も指定できますが、正しく日本語の PostScript が 生成されることの確認には至りませんでした) PS 文書ないしは ASCII テキストを 2 up か 4 up で印刷するなら、mpage も 使えます。これで、紙を 50 パーセント以上節約できます。 (訳注: 入手は まで。 html2ps 2.5.1-pre2 は欧米のエンコーディングにしか対応しておらず、日本語の文書 では使えません) 5.2. 紙のかわりにモニタから読む eally-- need a hardcopy each time you decide to print something out. --> あるいは、印刷して読むかわりに、 less/xless/gless をビューアとして 使ってみましょう。 PostScript 文書なら gs, PDF 文書なら xpdf または acroread (Adobe からどうぞ) で読めます。何か印 刷しようと思ったときは必ず、本当にハードコピーが必要なのか、胸に手を当 てて考えてみましょう。 なぜみんなモニタ経由でものを読まないのか、というと: o 読む速度が最大 30 パーセント低下する。 N.N. 参照。読む速度は、よりよ いハードウェア (例, TFT ディスプレイやもっと大きなスクリーンなど。 ただし、この下で述べている「もっと小さな CRT を使おう」と反してしま いますが) 表示ソフトウェア (Type 1 フォント, t1lib, TrueType, FreeType) によって改善できる。 o 紙のほうが整理しやすくて機密保持上安全だ、という人もいる。これは、 よりよいソフトウェア (例えば Linux) とよりよいハードウェアによって もまかなえると私は思う。 印刷などしないで、ハンドヘルド PC (Palm III, Newton Message Pad, Psion 5 など) を使って、読みたいドキュメントを持ち歩く人もいます。 5.3. 他のテクニック 紙の節約のまた別の方法として、共同作業者や協力者と校正のために文書を交 換する際に、紙にプリントして行うのではなく、コメント記入や赤線/取消線 のマーキングを使う手があります。例えば、校正は WordPerfect で書けます し、これは共同作業者にメールで送ることができます。 WordPerfect の赤 線/取消線機能を使えば変更が目に見えます。「決定稿」ないしは「最終ドラ フト」の段階になるまで、印刷しなくても済みます。 質問: あなたはレーザー・プリンタで紙の裏面を使えていますか? 私はあま り運のいい目にあっていません。レーザー・プリンタで使われた紙の反対側な らインクジェット・プリンタで使えます。 注文するなら、できる限り小型のコンピュータとモニタにすべきです。これ で、ゴミになる包装資材を減らせます。たとえば、15" CRT モニタの箱は、 15" LCD モニタの箱より 2〜3 倍は大きいのです。 15" LCD モニタと、 Netwinder や E3000 のような小さなコンピュータの組み合わせでも Linux は使えるのです。 CRT ディスプレイよりも LCD ディスプレイのほうが毒性のある原料を多く 使っており、製造工程も多いので、実際には環境には却ってよくない、という 懸念のことを誰かが言っていました。これ、元の情報は固形廃棄物 - かなり 有形ゆえにより扱いやすい - に関するものでした。 どなたか、この問題をはっきりと説明し、解決するのに役立つような研究や追 加調査をご存じないでしょうか? 利用済みの紙やインク、包装資材をリサイクルしましょう。 再充填可能なプリンタ・カートリッジだって使えます。ドイツでは "Blauer Engel" (ブルーエンジェル) ラベルが貼ってあります。 レーザ・プリンタのカートリッジは、プリンタのメッセージパネルに「トナー が減っています」とメッセージが出たら振ってみる。そんなことで、もっと永 く使えるものです。 Wade W. Hampton は、この章のいちばん大きな部分をくれました。 私は Ralf Muschall から以下の示唆をもらいました: o LaTeX 文書: \usepackage{ccfonts} を使えば、通常のフォントがもっと広 い線と太いセリフ(文字飾り)のフォントに入れ替わるので、低い解像度で の読みやすさが上がります。ただ、CM フォントよりも濃いし (つまり、よ り多くのインクが要る)、比べると美しくもないものなので、通常サイズで の印刷にはお奨めしません。 o サイズ縮小: psnup とか pstools の他のパーツの代りに、 Malcolm Herbert による、Perl 4 で書かれた psnup をお奨めします。 (1994 年か らあるもので、もはや保守されていませんが、これの子孫の yup と呼ばれ るものがあります。 yup からど うぞ。 多数のオプションがあり、 4 種類のマージンと内側のガターを別々に設定 できます。いずれにせよ、縮小された文書はあまりきれいなものではあり ませんから、これはマージンを減らし、テキスト用にもっと場所を残して おくのに使えばいいでしょう。おそらくちょっと実験が必要でしょう。(新 しい数値を何度も試しては ghostview で結果をチェックしてみる) 普通使われるオプションは: o -p2 (または -p4 など。むかしの psnup の -2 に似ています) o -NIH (装飾を行わない) o -l10 -r20 -b30 -t40 (それぞれのマージンを増やす) o -g50 (ガターを増やす) (これらの値は用紙サイズと、オリジナルのマージン - マイナスの値もあ り - に広く依存します) o 利用済み用紙の裏への印刷については、インクジェット・プリンタによっ て得手不得手があります。別のメーカも試してみましょう。昔のキヤノン のインクジェットは 360 dpi が可能ですし、 HP の昔のインクジェットは 300 dpi でいけます。 LaTeX で 10 ポイント文字を使って 1 枚あたり 4 ページ印刷したときの可読性はそのへんの性能にかかっています。 o Linux 以外: MS-Windows で作業しなければならない場合は、 MS-Windows についてくるドライバの代りに、 Adobe オリジナルの PostScript ドライ バを手に入れるべきです。 1 枚あたり 1 ページ以上印刷できます。私の 知る限り、2 種類ある psnup のどちらも Adobe の PS, MS-Windows の PS、そして MS-Windows の PDF ファイルから抜き出された PostScript で は使えないようです。 o Ghostscript には正しい PostScript で出力を生成してくれる新しい出力 フォーマット pswrite があります。例えば Microsoft のドライバによる 壊れた PostScript を修正するのに使え、その結果、psnup での後処理が 可能になります。 o impose+ は PostScript のユーティリティの集まりです。メインのプログラムは impose で、 DSC (訳注: Document Structuring Convention, Adobe によ る PostScript の文書構造化規格) 対応の PostScript (Netscape や dvips, FrameMaker からの出力を含む) の 1 枚あたり 2 ページの印刷に 使えます。オリジナルの PostScript から、印刷される領域の矩形を検出 することによって印刷結果から余白を除去してくれる働きもあります。こ のため、見切りのないオリジナルのページを単純にレイアウトするよりも 美しい出力結果になります。 6. 消耗品のリサイクル (紙, プリンタのカートリッジ, CD, フロッピー, テ ープ) こういった消耗品はすべてリサイクル可能です。 URL の一覧を付録 H につけ ました。まずはゴミの分別から始めましょう。リサイクルの難しさについても ちょっと言及すべきでしょうね (データのセキュリティ、動機づけ、コスト、 …)。 7. 放射線、電磁波、熱を減らす o モニタは放射線と電磁波の源です。これらは鉛フィルタ、LCD ディスプレ イを使えば減らせます。 TCO95 といった「エコ・ラベル」には、放射線の 許容量などの定義が含まれているものもあります。 o 特に PC がたくさんあると部屋がとても暑くなってしまいます。そのた め、部屋の冷房が必須になるでしょう。スタンバイ (電源断) 技術を使え ば、この問題は軽減できます。 8. ハードウェアの寿命を延ばす 8.1. ハードウェアのリサイクル 商用目的であるコンピュータの市場は、いかに新しいハードウェアとソフト ウェアを売るかを探求し続けているベンダにより大きく動かされています。再 利用を奨めることに、商業的、マーケット的な利益はありません。 Linux は大きなハードウェアを必要としないので、古くて小さいハードウェア を使うのが好きだとか、あるいはそうしないといけない場合、極めて便利で す。 8.1.1. サポートされている CPU ファミリ Linux は Intel の 386 や 486, Pentium, Pentium Pro, Pentium II, そして AMD, Cyrix, その他による互換プロセッサといった、 Intel 互換のプロセッ サで動きます。 Linux は 286 CPU ファミリをまだサポートしていません。しかし、ELKS (http://www.linux.org.uk/ELKS-Home/index.html http://www.elks.ecs.soton.ac.uk/ ) に関して若干の動きがあります。 お好みなら、Linux の先祖の一つである Minix を使うこともできます。 Minix は 8088 から 286 までの CPU をサポートし、 640K といった小さなメモリでも 動きます。 もちろん、Alpha や PowerPC といった他のシステムへの移植もあります。 Linux Kernel でサポートされているシステムについては、詳しくは Linux FAQ をご覧ください。 (訳注: Linux-FAQ 和訳 ) 別の選択肢として、高速かつ低電力消費である ARM があります。例え ば、Corel/Rebel の Netwinder は ARM プロセッサをベースとしています。 Rebel と Strong-ARM を参照ください。 8.1.2. 限られたリソースでしのぐ、システムをチューニングする この章は私の Laptop-HOWTO から取ってきたものです。 8.1.2.1. 関連する HOWTO 文書 1. LBX-HOWTO (訳注: LBX-HOWTO 和訳 ) 2. Small-Memory-HOWTO (訳注: Small-Memory-HOWTO 和訳 ) 8.1.2.2. はじめに 限られたディスクスペース、メモリ、CPU 速度、バッテリ駆動といった条件で やっていくためにこの章を書きました。 8.1.2.3. 狭いディスクスペース 8.1.2.3.1. はじめに ディスク・スペースを稼ぐには、冗長スペースや未使用スペースの解放、ファ イルシステムのチューニングや圧縮といったいろいろなタイプのテクニックが あります。 注意: 以下に述べるテクニックには、ディスク・スペースの代りにメモリを 使ってしまうものもあります。お分かりの通り、スペースを空けるには小さな 段階を数多く踏まないとなりません。 8.1.2.3.2. テクニック 1. ストリップする: 今日、多くのディストリビューションはストリップされ たバイナリで提供されていますが、チェックしてみることも意味がありま す。詳しくは man strip を見てください。ストリップされていないファイ ルをすべて見つけるには、 file コマンドか、もっと便利なツール findstrip があります。注意: ライブラリをストリップしてはいけませ ん。悪いプログラミング技術のせいで、間違ったシンボルが除去されてし まうことがあります。 Russell Marks からのお奨め: 最近 -g 付きでコンパイルする人がとても多くて、個人的にはちょっとう んざりします (私の知る限り、実際にはディスクを食うだけみたいです が)。 strip には、シンボルは strip しないがデバッグ用データは取り除いてく れる --strip-debug オプションがあります。たいていの場合はほぼうまく いきますし、ライブラリにやっても大丈夫です。最近たまたま SuSE 6.3 を手に入れたので、生の実行例をお目にかけることができます: ___________________________________________________________________ bash-2.03# cd /lib bash-2.03# ls -l libc.so.6 -rwxr-xr-x 1 root root 4223971 Nov 6 16:22 libc.so.6 bash-2.03# strip --strip-debug libc.so.6 bash-2.03# ls -l libc.so.6 -rwxr-xr-x 1 root root 1200355 Dec 8 00:13 libc.so.6 ___________________________________________________________________ 2. パーフォレーション (perforation): zum(1) は標準入力からファイルの リストを読んで、これらのファイルを「穴あけ」(perforate) しようとし ます。ヌル・バイト (0 になっているバイト) の連続部分を、 lseek で置 き換え、これらの「空き」バイトに対して実際のディスク・スペースを割 り当てないで済むようにしてくれます。例: find . -type f | xargs zum (訳注: lseek(3) とは, ファイルを読み書きするファイル・ポインタを任 意の場所に動かす UNIX のシステム・コールです。一般に UNIX では、存 在しない(実際に物理的にファイルが存在しない) 位置に対しても lseek できてしまいます。これを活用(悪用?)すると、「不要な」部分には物理的 なディスク空間を割り当てていない、ディスク上の物理的なサイズよりも 論理的なサイズが大きいファイルを作れてしまいます。こういったものを sparse なファイルといいます) 3. 不要、重複したファイルの除去: core ファイルや emacs のリカバリ・ ファイル <#ファイル名#>、 vi のリカバリ・ファイル <ファイル名>.swp RPM のリカバリ・ファイル <ファイル名>.rpmorig、 patch のリカバリ・ ファイルがないかシステムをチェックしてみましょう。重複を見つけるに は finddup を試してみましょう。バックアップやテンポラリ、テストに使 うファイルを名付けるときの規則を考えておきましょう。例えば、ファイ ル名の終りに一定の名称をつけるなど。 4. テンポラリ・ファイルの消去: 例えば /tmp が対象なら、 tmpwatch とい うツールがあったりもします。 5. ログ・ファイルを縮める: ログ・ファイルは通常、/var/log にあります。 このあたりの手助けには、savelog などの良いツールがあります。 6. ファイルの消去: あらゆる状況において「不必要」なファイル、マニュア ル・ページや /usr/doc にあるドキュメント、 /usr/src などにあるソー スを消しましょう。 7. 不要なライブラリ: 使われていないライブラリを探すには binstats パッ ケージが使えます (Tom Ed White に感謝)。 8. ファイルシステム: 例えば rsfs (Reiser Filesystem とも呼ばれる) と いった、ディスク空間を経済的に扱うファイル・システムを選びましょ う。ファイルシステムを tune2fs などでチューンしましょう。適切なパー ティション・サイズ、ブロック・サイズを使いましょう。 9. カーネル・サイズを小さくする: カーネルには必要な機能だけを入れる か、圧縮カーネル・イメージ bzImage を作る。両方やっても構いません。 10. 圧縮: 自分ではチェックしていませんが、私の知る限り、ファイル・シス テムを gzip で圧縮して、必要に応じてその場で展開できるはずです。い くつかのファイルだけを圧縮する手もあります。 zexec を使えば、圧縮さ れたファイルを実行することすらできます。 (訳注: gzexe も同様のツールで、gzip と一緒に配布されています) 11. 圧縮ファイルシステム: e2fs ファイルシステムの場合、圧縮バージョン e2compr も利用可能で す。 http://debs.fuller.edu/e2compr/ を参照。 DMSDOS で、Windows95 の圧縮ドライブ (drivespace, doublestacker) に アクセスできるようになります。 DOS/Windows95 との互換性が必要ない場 合、言い換えれば Linux でのみ使う場合は、本当にガッカリな代物だとプ ログラムの作者自身言っています。 http://fb9nt-ln.uni- duisburg.de/mitarbeiter/gockel/software/dmsdos/ 参照。 12. パーティションの共有: 別の OS とスワップ・スペースを共有 (Swap- Space-HOWTO 参照) したり、 (訳注: Swap-Space-HOWTO 和訳 ) データ・ファイ ルの入っているパーティションを共有もできます (mount 参照). MS-DOS や Windows95 の圧縮ドライブ (doublespace, drivespace) をマウントす るには dmsdos http://metalab.unc.edu/pub/Linux/system/filesystems/dosfs/ を使え ます。 13. ライブラリ: 他の (古い) ライブラリ、例えば libc5 を使ってみます。こ のライブラリは libc6、またの名を glibc2 よりも小さいようです。 14. カーネル: 古いカーネルで要求が満たせるなら、そうすればちょっとディ スクを節約できます。 15. GUI: できる限りグラフィカル・ユーザ・インタフェース (GUI) を使わな いようにします。 16. 小さなディストリビューション: 3.5" フロッピー一枚に収まるものから、 10MB のディスク・スペース、少ないメモリに合うディストリビューション もあります。 Laptop-HOWTO をご覧ください。 8.1.2.4. ハードディスクの速度 hdparm というツールを使えば、ハードディスクの性能が向上するよう設定で きます。ストライピングを有効に設定してあるラップトップのディスクを見た ことがありますが、私にはそうする理由がわかりませんでした。私見で は、RAID0 とも呼ばれるストライピングというものは、性能向上のために少な くとも別のディスクを必要とするからです。 8.1.2.5. 少ないメモリ 8.1.2.5.1. 関連する HOWTO 文書 1. Todd Burgess による Small-Memory-mini-HOWTO http://eddie.cis.uoguelph.ca/~tburgess (訳注: Small-Memory-HOWTO 和訳 ) 2. Modules-mini-HOWTO (訳注: Modules-HOWTO 和訳 ) 3. Kerneld-mini-HOWTO (訳注: Kerneld-mini-HOWTO 和訳 ) 8.1.2.5.2. テクニック メモリ消費量を free や top で調べましょう。 Mergemem Project . オペレーティング・システムに検出されないままの中身が一緒のメモリ・エリ アを含んでいるプログラムは多くあります。プログラムの起動の際に生成さ れ、長い期間変更されないまま残っているデータを含んでいるというのがよく ある例です。 mergemem を使えば、こういったエリアを検出し、共有できま す。共有はオペレーティング・システムのレベルで実行され、ユーザ・レベル のプログラムには見えません。 mergemem は、その実行コードをプライベート なデータ・エリアにしまっておくインタプリタやエミュレータ (Java とか Prolog など) のインスタンスをいっぱい実行する時に特に便利です。とはい え、他のプログラムでも、程度こそ少ないものの、その恩恵にあずかることは できます。 あなたの要求に必要ない機能をすべて除去し、カーネルをできる限りモジュラ ー化すれば、カーネル・サイズを小さくできます。 要らないサービスやデーモンを止める、例えば lpd, mountd, nfsd を止めた り、仮想コンソール を何個か閉じてしまう、といったこともできます。詳し くは Small-Memory-mini-HOWTO (訳注: Small-Memory-HOWTO 和訳 ) をご覧ください。 もちろん、使えるならスワップ領域を使いましょう。 他のマシンのリソースだって使えます。例えば X や VNC, telnet だってそう です。 Virtual Network Computing (VNC) に関しては http://http://www.uk.research.att.com/vnc/ を見てください。 8.1.2.6. 遅い CPU スピード あなたは CPU をクロック・アップしたいのかもしれませんが、ハードウェア にダメージを与えるかもしれませんし、私はそのへんの経験がありません。例 えば Adorable Toshiba Libretto - Overclocking http://www.cerfnet.com/~adorable/libretto.html を見てみてください。 8.1.2.7. 小粒なアプリケーション、ディストリビューション まだちょっとしか集まっていません。もっと情報を探しています. 1. BOA - 「ライトウェイトで高性能な Web サーバ。 boa はシングル・タス クの HTTP サーバです。伝統的な Web サーバとは異なり、やってくるコネ クションごとに fork したりしませんし、複数のコネクションを扱うため に自分自身を多数 fork したりもしません。内部的には、進行中の HTTP コネクションを多重化して扱っており、 CGI プログラム (別プロセスに成 らざるを得ない) に関してだけ fork します。予備試験の結果は、 100MHz Pentium マシンで毎秒何百ものヒットをハンドリングできることがわかっ た、というものでした」 2. MGR - X よりはるかに小さなリソースで動く、グラフィカルなウインド ウ・システム 3. Low Bandwidth X - Alan Cox は LINUX REDUX 誌 1998 年 2 月号で書い ています: 「.. 普通のアプリケーションを非常にうまくさばけているもの が二つある。 LBX (Low Bandwidth X) は X Consortium (現在は OpenGroup、www.opengroup.org ) による正 式なアプリケーション。 dxpc http://ccwf.cc.utexas.edu/~zvonler/dxpc のほうはまた別の選択肢 で、ほとんどの人はこっちを選ぶだろう。これらは X11 のプロキシ・サー バとしてふるまい、データストリームを圧縮する。圧縮率は通常の描画リ クエストで元の帯域幅の使用量の 50 パーセントに、そしてしばしば 25 パーセントにまで達する。 dxpc を使えば、28.8 モデムでの接続や、イン ターネットを介した場合でも X のアプリケーションを極めて実用的に使え る」 4. blackbox - 「これは X のウインドウ・マネージャです。 WindowMaker や Enlightenment, FVWM2 といったポピュラーなパッケージといろんな点 で似ています。ただ、お使いのシステムのリソースをがっぽり食うような ウインドウ・マネージャには飽きがきている、でも格好よくて今風なイン タフェースもやっぱり欲しい、そんなあなたなら、blackbox に興味を惹か れるかもしれません」 5. linux-lite - 2MB メモリに 10MB ハードディスクしか積んでいないような システム向けの、 1.x.x カーネルをベースとしたディストリビューション です。上記 URL を見てください。 6. smallLinux - http://smalllinux.netpedia.net/ フロッピー三枚組の、Linux および ユーティリティから成るミニミニ・ディストリビューションです。カーネ ル 1.2.11 がベース。ルート・ディスクは ext2 でフォーマットされてお り、 fdisk と mkfs.ext2 が入っているので、ハードディスクへのインス トールが可能です。 4MB 以下しかメモリを積んでいないような古いマシン で立ち上げるのに便利です。 7. cLIeNUX - クライアント・ユースに特化した Linux ディストリビューショ ンです。 8. minix - Linux ではありませんが、 286 CPU に 640K RAM といった極めて 小さいシステムに便利な UNIX です。 http://www.cs.vu.nl/~ast/minix.html David I. Bell による、mini-x ftp://ftp.linux.org.uk/pub/linux/alan/ という X のサポートさえあ ります。 9. screen - 小さくてもパワフルなコンソール・マネージャです。 John M. Fisk は LINUX GAZETTE 1996 年 7 月 1 日号に書いています: 「あぁ、世はなべて GUI, GUI, GUI, GUI ばっかり! メジャーな OS 製造業者たちもそう信じさせようとしている。 その傾向は確かにますます増えている。けれども、コトを片付けるのには コマンド・ライン・インタフェース (CLI) のほうが実にいい、ということ もまだまだある、これが真実なのだ。早いし、一般に効率的だし、メモリ や CPU が限られているマシンにはいいチョイスだ。そして、実に多くの気 の効いたことがコンソールで済ませられる、ってことも忘れちゃいけな い」 「screen は、複数のプロセス、典型的には対話的なシェル間で物理的な端 末を多重化してくれる、フル・スクリーンのウインドウ・マネージャで す。それぞれの仮想端末は DEC VT100 ターミナルの機能、加えて ANSI X3.64 (ISO 6429) と ISO 2022 スタンダード (例えば行挿入/削除、複数 キャラクタ・セットのサポート) からの若干の制御機能を提供してくれま す。他にも本当のマルチユーザのサポート、スクリーン分割、ハード・ス テータス・エミュレーション、設定可能なウインドウ・セパレータとハー ドステータス文字列、常駐ウインドウ・セパレータ、多数の新しいエスケ ープ・シーケンス、ログ・ファイルのタイムスタンプとフラッシュ・タイ ムアウト、内蔵 telnet (オプション)、Braille 点字端末サポート (オプ ション)、ヒストリ圧縮などがサポートされています」 10. tinyirc - 「小さくて、贅肉を削ぎ落した IRC クライアントです。同じ IRC クライアントでも、ircII ファミリーが持っているようなより進んだ コマンドは持ち合わせていませんし、色も出ません。でも使えるものです し、なによりも小さいんです」 11. tinyproxy - 「tinyproxy は、最小限のシステム・リソースのみで働くよ う設計された軽い HTTP プロキシです。 squid のような大きな HTTP プロ キシでは大げさだとか、セキュリティ・リスクになってしまうような小さ なネットワークに向いています。tinyproxy のこの単純さは、思いのまま にカスタマイズしたい場合の候補にもなります。 tinyproxy のソースは読 んで理解するのに時間はほんの少しで済みますし、欲しい機能を追加しは じめるのもさくっとできます」 8.2. その他の技 ニッカド電池は、メモリ効果を防ぎ、寿命を延ばすためには定期的に放電する 必要があります。 ニッカド、アルカリ、NiMH といった種類の電池には有毒な化学物質が含まれ ています。技を使ってなるべく寿命を延ばして使うべきですし、廃棄する際は リサイクルすべきです。ゴミ箱に放り投げてはいけません。 N.N. で 触れられている「Iron」バッテリはチェックすべき技術といえましょう。使用 済み電池に係わる有毒廃棄物の問題を減らすことができるかもしれないのです が、こういった電池はおそらく数年前のものでしょう。 ラップトップ・マシンのバックライト、モニタ (スクリーン・セーバ)、ハー ド・ディスク (hdparm) などについても所感を書かないといけません。 8.3. 他のオペレーティング・システム George White のご好意で転載します: UNIX が付属していて、幅広いオープン・ソース・ソフトウェアを走らせられ る古いコンピュータ (SGI, Sun, NeXT など) を買うのもいいでしょう。今で も現行の OS のバージョンを動かせるもの (SGI Indigo2) もありますが、さ もなくば、Linux のようなオープン・ソースな OS でいったほうがいいでしょ う。どっちの場合でも、自分自身のソフトを書くための良いソフトウェアやツ ール群に手が届くわけです。 古いコンピュータでの消費電力の低減には、 UPS が作動した際のバッテリ駆 動時間が長くなるとか、「メイン」電源につなげない場合でも、もっと別の小 さな電源供給源を使えるといった意味があります。 9. X10 - ホーム・オートメーション・システム 「X-10 モジュールとは、電源の口に接続し、それに繋がっているランプや器 具といったものの電源供給を遠隔操作できるようにする装置です。壁面の電源 スイッチの代りに設置して照明を制御したり、サーモスタットがわりになる X-10 モジュールもあります」 X10 のベンダたちは、 Firecracker と呼ばれる実にい かしたドングルを作りました。 PC のシリアル・ポートを介して X10 デバイ スをコントロールできるのです。 bottlerocket や gtk-x10 といったプログ ラムを使えば、 Firecracker デバイスを介して、Linux から X10 デバイスを コントロールできます。リモコン、受信機、ランプ・モジュールで構成される Firecracker は、たった 5.95 米ドル (特別価格) で手に入ります。 GNU Phantom.Home はコンピュ ータ制御のホーム・オートメーション・システムです。ソフトウェアには、PC のパラレル・ポートに接続するシンプルな回路基板である Phantom.Home.Controller の制作用の回路図が含まれています。ハードウェア とソフトウェアの組み合わせで、ほぼどんな 120 ボルトの装置でもコントロ ール (例えば電源オンやオフ) できます。そして、エレクトロニクスのノウハ ウがちょっとだけあれば、必要に応じて回路基板を変更し、どんな電圧のどん な装置でも制御できるようになるでしょう。ソフトに(回路図が)同封されてい るこのシンプルな回路なら、 25 米ドル程度で制作できるでしょう。モジュー ルの費用は 10 米ドル程度です (基本的に頑丈なリレーです) でんきは大切にね! 10. 無停電電源装置 - UPS 台風の多い地域にお住まいなら UPS を使うべきです。ハードウェア、ソフト ウェア、時間とお金、そして落雷にやられて残骸になったモニタや CPU、モデ ムを捨てる羽目になることから守ってくれます。詳しくは UPS-HOWTO にあたってください。 UPS はまさにハードウェアを守り、作業結果、その他もろもろを守ってくれま す。雷が鳴りやすい地域では何時間分もの作業を毎週守ってくれますし、それ はもしかすると電力の節減にも置き換えられることです。 UPS は停電しやす い地域でもハードウェアを守ってくれます。 AC 電源の付加的な利用方法につ いては、まだ関心があります。この件について調査、研究している人がいた ら、我々にもそれを転送してもらえませんでしょうか? きっと APC, BEST, といった UPS のメーカに投げるのにも興味深い質問でしょう。 11. ゲーム 個人的には私はコンピュータ・ゲームをあまりしませんが、でもこれはきっと 環境問題の教育にも利用できるはずです。最初の調査で lincity と Real Life を見つけました。有意義なものであることは、ご自分でチェックしてみ てください。 Linux Games Survey に概要がありま す。 o lincity はひとつの町や国を建設して維持するゲームです。街を建設し、 維持することを求められます。住人に対して食糧、居住環境、仕事、物資 を供給しなければなりません。安定供給可能なエネルギーとリサイクルの 助けを借りて持続可能な経済を作ることも可能ですし、破壊に至った後に ロケットを造り、公害に悩まされ資源の枯渇した惑星から脱出することも できます。あなた次第。ある一ヶ所につき利用できる資源は有限なので、 長期間放りっぱなしにしておけるゲームではありません。市販されている 類似の名称のシミュレーション・ゲームに似たゲームです。このパッケー ジには、 X と SVGALIB バージョン両方に共通のファイルが含まれていま す。 o Real Life - 「``Conway's Game of Life'' (訳注: ケンブリッジ大学の数学者 J. H. Conway が発明した、単純化した生物のシミュレーション、数学パズルであ る「ライフ・ゲーム」) では、各セルは完全に生きている (値が 1) か、 完璧に死んでいる (値 0) のどちらかです。現実世界では、この二値とい う制限は、さまざまな表情へと昇華されます - 生と死を分かつ、現実の値 づけの段階へと。現実世界においては、コンウェイのライフ・ゲームは特 殊なケースです。しかし、ライフ・ゲームとは対照的に、実際の生命はカ オス系の特質である、初期状態への過敏な依存を示します」 12. 生態学ソフトウェア (シミュレーション, データ収集, 統計, その他) 生態学 (環境情報という分野さえあります) で使われている MS-Windows ベー スのソフトウェアがいくつかあるのは知っていますが、 Linux で使えるもの は、まだ Ecolab しか知りません。でも、Linux ソフトウェア (例えばデータ ベースや統計プログラム) を簡単に採用できると私は考えます。生態シミュレ ーションを解くのに Linux クラスタを使うこともできるでしょう。 12.1. Ecolab Ecolab とはソフトウェア・パッケージの名称でもあり、進化のダイナミクス に着目した研究プロジェクトの名前でもあります。 http://parallel.acsu.unsw.edu.au/rks/ecolab.html EcoLab は抽象的な生 態モデルを実装したシステムです。一群の Tcl/Tk コマンドとして書かれてい るので、スクリプトを編集することによって、モデルのパラメータを実行中に 簡単に変えられます。モデルそのものは C++ で書かれています。 12.2. OpenClassroom 「OpenClassroom - 教育のためのディストリビューションです。まだアル ファ・バージョン以前。ホームページ: OpenClassroom 教育団体や公共団体に対し、その組織内部 の、または Internet のような全世界に向けたネットワークにすでにある PC (古いのも新しいのも) を接続することによって、知識のコミュニティを作れ るようにしようというソフトウェア・パッケージの統合体です。この提案の中 心的な狙いは、こういった団体において、すでにある PC に、それで動く先進 のソフトウェアをもたらすことで、結果的に機器の寿命を延ばすことです。我 々のツールセットを使えば、公共団体や市民たちは自分たちのデジタル印刷機 を手にし、自分たちで扱えるようになるのです」 12.3. Tierra Tierra は Linux やほ かの OS で動作する、デジタルの進化と生態系を学べるツールです。 12.4. 環境問題調査における Linux Wade W. Hampton 曰く: Linux は環境実験の研究ツールとして使うのにうって つけです。遠隔監視や遠隔測定器によるデータ送信に使われている小さな組み 込み Linux の応用例があります。 uCsimm のよう な、組み込みシステム向けの実に小さな Linux 実装が PC-104 システムから 存在します。 Linux は生物学の実験の制御をしながらシャトルで飛んだこと さえあるのです… NOAA のハリケーン・ハンター機に搭載されて、気象の研究 にも使われてきました。 Netscape のような標準的な WWW ベースのツールを使ってインターネットで生 態学の環境情報の調査をするのにも Linux は理想的なプラットフォームで す。 Linux は、複雑な生態系と環境プロセスをモデリングするのにさえも使 われています。 beowulf cluster が、複雑な環境 プロセスのシミュレーション、例えば Earthdome や A COLLECTION OF LINKS OF VISUALIZATION & SIMULATION OF SELF-ORGANIZED SYSTEMS における研究に使 われました。 13. 関連プロジェクト、メーリングリスト、ニュースグループ o WWW を探したんですが、専用のニュースグループもメーリングリストも見 つけることができませんでした。だから、Eco-Com メーリングリストを立 上げることに決めたわけです。講読するには eco_com- subscribe@listbot.com にメールをください。確認メッセージが送られま す。 o Repair FAQ o Obsolete Computer Helpline . o Gaute Hvoslef <386@altavista.net> の 386 World は、 386 マシンのための素晴らしいリソースのひとつを提供しています。 主に MS-Windows 関連ですが、Linux もサポートしています。 o 「アイダホ大学図書館によって出版されている Electronic Green Journal はアセスメントや(自然)保護, 開発, 廃棄 物処理, 教育, 危険物, 公害, 資源, 技術, 医療といった国際的な環境問 題に係わる情報のソースを広めるための専門的な刊行物で、参照に供され るものです。アカデミックな支援を受けていますが、我々の視点は、専門 家同様、教育を受けたジェネラリストのための記事、書誌、評論、発表を 出版することにあります。上記のどの話題についても、オリジナルの寄稿 を歓迎しています」そこの WWW には `Environmental Resources (環境資 源)' についての調査もあります。 14. 謝辞 Thanks to: o Verena Lorenz-Meyer o George White o Wade W. Hampton o Daniel Pirone o Knut Suebert o Ben De Rydt o Hanno Mueller o Bernhard Reiter o Yan Wong o Robert Horn o Martin Pool o Andreas Gohr o Lionel, "trollhunter" Bouchpan-Lerust-Juery, o Hristo Bojinov o Ralf Muschall o Russell Marks o Martin Pool o Malcolm Herbert o Sotiris Vassilopoulos o Thomas Boutell o Matthias Scheller o Martin o Jun Morimoto o Georg Schwarz 14.1. 和訳に関する謝辞 和訳に関して、以下の各氏にご協力頂きました。ありがとうございました。 o 武井伸光 o 四亭 o 藤原輝嘉 o 井伊亮太 o 齊藤 幹 15. 改訂履歴 o v0.1, 18 June 1999, 最初のドラフト版 o v0.2, 10 September 1999, タグを に変更, 冒 頭の文句を変更, 付録 B 「MP3 プレーヤについて」追加, eco_com メーリ ングリストの項作成・追加、その他の電源供給装置についての章を追加、 新しいコンピュータ購入についての推奨追加、スクリーンセーバの条を改 善、UPS の章追加、ハードウェア設計についての章を追加、他仔細な変更 o v0.3, 17 September 1999, Tierra についての情報を追加, コンピュータ の生産において廃棄される資源についての情報追加, UPS に関するコメン トを若干追加, 他細かい変更 o v0.4, 05 December 1999, 付録 G「その他のオペレーティング・システ ム」追加、CD のリサイクルに関する情報追加, 付録 H「リサイクル業者の URL」追加、 Linux Games Survey へのリンク削除、 SWARM、UNCERT、Climate-Dynamics へのリンク追加、 Energy Star label (Robert Horn による) に関する情報追加、細かい変更 o v0.5, 04 January 2000, PostScript ユーティリティに関する情報追加、 新しい章「注意」を追加, URL の修正と細かい変更 o v0.6, 01 March 2000, 日本語訳 (森本 淳に感謝) へリンク、若干のスペ ル・チェック、URL 修正 15.1. 和訳改訂履歴 o 28 February 2000: v0.5, 04 January 2000 を和訳 (担当: 森本淳、校正: 武井伸光、四亭、藤原輝嘉、井伊亮太) 16. 著作権と責任放棄 Copyright (C) 1999 by Werner Heuser. This document may be distributed under the terms set forth in the LDP license at COPYRIGHT . The information in this document is correct to the best of my knowledge, but there's a always a chance I've made some mistakes, so don't follow everything too blindly, especially if it seems wrong. Nothing here should have a detrimental effect on your computer, but just in case I take no responsibility for any damages incurred from the use of the information contained herein. All trademarks belong to their owners. (参考のために和訳を付します: この文書の著作権は Werner Heuser, 1999 が 有しています。この文書は COPYRIGHT にある LDP ライセンスに従う限り再 配布することができます。 この文書における情報は私(原作者)の最善の知識に照らして正確なものです が、誤謬を冒している可能性もありますので、特に内容が間違っているようだ と思われる時は、無闇に全てに従わないでください。あなたのコンピュータに 害を齎す記述はここにはありませんが、ここに含まれる情報の利用によって齎 されたいかなる損害にも、私は一切の責任を負いません。本文書におけるあら ゆる商標は全てその所有者に帰属しています) 17. 付録 A - ラップトップで Linux 17.1. バッテリ 執筆予定です。Hanno Mueller による LDP - Battery-HOWTO も見てください。 RedHat による apmd-rhcn-2.4phil-1 ftp://rhcn.redhat.com/pub/rhcn/ には、サスペンドする前に PCMCIA ソ ケットをシャットダウンさせたり、複数個のバッテリに対応させるための非公 式パッチが含まれています。 17.2. PCMCIA カード・サービスと APM (Advanced Power Management) LDP - PCMCIA-HOWTO から 引用すれば: 「カーネルを APM support ありで configure すれば、 APM (Advanced Power Management) のサポートと一緒にカード・サービスもコンパ イルされて入ります。お使いのシステムで互換性のあるバージョンの APM が 検知されれば、 PCMCIA モジュールは APM 用に自動的に設定されます。 APM が設定されているかどうかに関係なく、ノートマシンをサスペンドする前に cardctl suspend し、レジューム後に cardctl resume すれば、 PCMCIA カー ドをきれいにシャットダウン、リスタートできます。ただし、使用中のモデム カードに関してはうまくいきません。シリアル・ドライバはモデムの動作パラ メータを保存したり元に戻したりできないからです。 APM 動作が不安定なシ ステムもあります。お使いのシステムで APM と PCMCIA についてトラブルが 生じたら、バグを報告する前に、問題をパッケージ一つ程度に絞り込んでみま しょう。ドライバのうちには、特に PCMCIA SCSI ドライバには、サスペン ド/レジュームのサイクルから回復できないものがあります。 PCMCIA SCSI カ ードを使うときは、システムをサスペンドする前にいつも cardctl eject す るようにしましょう」 PCMCIA モデムの代りに、ラップトップの内蔵モデムを使いましょう。可能な ら(WinModem かもしれませんしね)。 17.3. 電力節約のテクニック 1. 赤外線のサポートが要らないなら、BIOS で利用不可にするか、 IrDA デバ イスドライバを停止しましょう。カーネルの IrDA 関連の機能には、節電 に役立つものもあります。 私の HP OmniBook 800 の仕様によれば、使っていないときは IR ポートを オフにしておくことが勧められています。最高 10 パーセントもバッテリ の持ち時間を食ってしまうからだそうです。 必要に応じて、カーネルの IrDA セクションの Fast RRs 機能を使わない というのも試してみましょう。この機能はよりよいレイテンシをもたらし ますが、電力も余計に食います。 2. PCMCIA サービスも余分な電気を食いますから、必要ないときは落しておき ましょう。 3. 電気を消費するバックライトの利用時間を延ばす方法はわかりません。注 意: 私の知る限り、このデバイスは CPU の稼働サイクルをある一定以下し か食いませんから、スクリーンセーバの使い過ぎは避けましょう。 4. 最高 8 時間もの長さまで稼働時間が延びるバッテリの製作例については Adorable Toshiba Libretto http://www.cerfnet.com/~adorable/libretto.html を見てみてくださ い。 5. APM についての情報は、上の APM の章を見てください。 6. A hacked rclock : Booker C. Bense は rclock プログラムをハックして、時計の文字盤にシ ンプルなバッテリのパワー・メータを設けました。 7. xbatstat : Linux + X 用のバッテリ・レベル状態のチェッカです。 8. KDE http://www.kde.org には KAPM, Kbatmon, Kcmlaptop があります。 Paul Campbell による kcmlaptop はラップトップ・コンピュータをサポー トする機能を実装した KDE のコントロール・パネルの集まりで、ラップ トップ向けのドッカブルなバッテリ状態モニタ - 要は、KDE のステータ ス・バーにある小さなアイコンでバッテリがあとどれだけ残っているかを 表す - も入っています。パワー低下の警告や、節電オプションの設定も可 能です。 GNOME プロジェクト http://www.gnome.org/ に も同様のパッケージがあります。それぞれのサイトのソフトウェア一覧を 見てください。 9. 詳しくは、Hanno Mueller による Battery Powered Linux Mini-HOWTO hanno@lava.de http://www.lava.de/~hanno/ もご覧ください。 (訳注: 和訳が にあります) 10. toshiba-fan: 東芝の Pentium ラップトップのファンを on/off します。 コマンド・ラインから操作するユーティリティで、東芝製のラップトップ のファンを on/off したり、現在の状態を見たりできます。ファンが付い た東芝の Pentium ラップトップならどれでも動くでしょう。 18. 付録 B - パラレルポート接続型 MP3 ハードウェア・デコーダ ドイツのコンピュータ雑誌 CT の 1999 年 9 月 号 p. 200 と 1999 年 10 月号 p. 260 に、パラレル・ポートに接続する MP3 ハードウェア・デコーダを使って古い PC (286 以上) を MP3 プレーヤに変身 させる記事を見つけました。 (著者のホームページ ) Klaus Peichl による、ハードウェア・デ コーダの要らないソフトウェアについても触れられています。 両方のプログラムとも DOS ベースですが挙げてみました。 Linux でのやりか たについては調べる時間がありませんでした。 Cajun は、どんなコンピュータ (75MHz 以上) でも 車や家庭用のどっかりしたオーディオ・ジュークボックスに変えてしまうプロ グラムです。 matrix-orbital シリアル・ディスプレイを用いており、 IRman 赤外線リモート・コントロール・インタフェースをサポートしています。サウ ンドカードの出力は(車とか家庭の)ステレオにつないでアンプとします。ソフ トウェアはホットリストとシャッフル・モードをサポートしています。他にも FM/Video4Linux, icecast/shoutcast, CrystalFontz シリアル・ディスプレイ をサポートしており、サウンドカードを叩く部分は mpg123 か xaudio から選 べます。 19. 付録 C - 参考文献 o Ellringmann, H. /Hrsg.: Softwarefuehrer Umweltschutz. Anbieter - Produkte - Maerkte; 1999ff. o Koellner, W. / Fichtler, W.: Recycling von Elektro- und Elektronikschrott; 1996 o Rohwedder, W.J. "Rocky" / Alm, Andy: Using Computers in Environmental Education; 1994 o Schloegl, M.:Recycling von Elektro- und Elektronikschrott; 1995 o Tiltmann, K.O. (Hrsg.): Recyclingpraxis Elektronik; 1994 o Andreas Grote: (be): Gruene Rechnung - Das Produkt Computer in der Oekobilanz - Report, Oekologie, Rohstoffverbrauch, Energieverbrauch und Schadstoff-Emissionen bei Herstellung, Betrieb und Entsorgung, EPA, Energy Star, Green-PC (c't 12/1994, Seite 92) CT . 20. 付録 D - 新しいコンピュータを買うときのお奨め Wade W. Hampton 曰く (編集: wh (原著者)): ラップトップやネットワーク・ コンピュータのような低電力のコンピュータを買いましょう。デスクトップの システムほど電気を食ったりしないのが普通です。例えば、太陽電池で Corel/Rebel Netwinder を使っている人が WWW のどこかにいました。 「Energy Star」デスクトップに今だ 300W もの電源が付いていて、 10 ワッ トかそこらで動く Netwinder のようなコンピュータよりもはるかに多くの電 気を食っているのは変なことだと思います。 (Energy Star の狙いはコンピュ ータ機器が使われていない間の電力消費にあるので、これはこれで首尾一貫し ているのですが) たぶん、Energy Star システムよりも桁外れに少ない電気しか食わないような コンピュータには、「Energy Miser (訳注: エナジー・ケチー?)」 (とかなん とかいう) 新しいくくりがあるべきなんでしょう。 ディスプレイの消費電力を抑えたいなら、 CRT ではなく LCD モニタを購入す る手があります。普通のモニタが 100 ワット台の電力を食うのに対し、 LCD モニタは 30 から 40 ワットしか使いません。 LCD モニタの値段は同等の普 通のモニタに比べいまだ 2-3 倍はしますが、 LCD がより広く使われるように なれば、価格も落ちてくるでしょう。 どんなコンピュータを買うにせよ、ハードウェアが APM 準拠であること、放 射線量が低いことを確認しましょう。 TCO, DPMS または Energy Star 準拠の モニタを買いましょう。 R Horn は書いています: 「個人的に見つけたんです が、 Lawrence Berkeley Labs - LBL の Web サイ トは、エネルギー効率の高い機器に関する最高の情報源です。コンピュータだ けでなく多くの種類の装置について、いかにしてエネルギー消費を抑えるか、 相当な細部に踏み込んでいます。関連サイトの良いリンク集もありま す。Energy Star プログラムは米国環境保護局によって定義されていますが、 その Web サイトもそこにあります。これまで、すべての Energy Star 規定 は、通常の利用に変更や制限を要求することなく、エネルギー消費を抑えると 定義されています。アイドル状態の装置 (コンピュータ, テレビ, 電子レン ジ,...) によって消費されている驚くべき大量の電気がありますし、連続稼 働が必要な機器 (非常出口のサイン, 交通信号, ...) によっても不必要に大 量消費されていますユーザに性能への妥協をなんら強いることなくこのエネル ギーが節減できるならば、まずこれを念頭にあげるべきでしょう。 LBL の Web のどこかに、いろんな PC の実際の電力消費量の数値が挙げられ ています。 300W 電源はとくに誤った印象を与えます。どんなプログラムを走 らせているか、ハードディスクを止められるかによって実際の電力消費は異な ります。稼働中の純粋な消費は通常 50 から 75W の範囲です。システムがア イドル状態になれば、消費電力は著しく落ちます。 NetWinder は素晴らしいマシンですが、運用上の妥協を強いられます。 CPU のピーク性能はかなり低く、オペレーティング・システムは Windowsではあり ません。他にも制限があります。最も近い比較対象は普通のラップトップ PC になりますし、太陽電池パネルの平均的な出力はとても低いので、一般的に、 小さめな太陽電池を使うことになるでしょう。これで、コストと電力消費のト レードオフというものがわかるでしょう。出そうと思えばデスクトップのマシ ンと同じ性能を出せますが、低電力消費にてこれをやるには、コストが二倍か ら三倍かかるわけです。 (個人的には Psion を使っています。電力が 200 mW しか要らない、とっても 遅いコンピュータです。 ROM に入る要素だけでやっていけるとすれば、Linux だって走ります) Energy Star の規定制定に関する大きな議論は、全体的にみて、以下のどちら がより大きな利益をもたらすかにかかっています。小さな取るに足らないコス トで市販されている機器のほとんどすべてに改善をもたらされるか、もっと高 いコストをかけた、もっと大きな改良? 高いコストに対して購買者はどう反 応するのか? これまでのコンセンサスは、大量のマシンをわずかなコストで 改良することは、少数のマシンを高コストで改良するよりも賢い、というもの です」 21. 付録 E - 環境にやさしい新ハードウェア設計 Wade W. Hampton と Knut Suebert によれば: Linux を使おうと考えている新 しいハードウェア設計は、低電力 CPU - たとえば Intel の ARM - や、より小さな筐 体といったように、環境に優しい技術の恩恵を受けられるようにすべきです。 Linux は実に広い範囲のハードウェアと技術をサポートしています。これは、 パワフルかつ柔軟で、環境に優しい Linux ベースのソリューションへの手段 になれるのです。 新しい Linux ベースのハードウェア、さらに bottlerocket (X10) のような Linux ベースのソフトウェアに対しても、「Environmental Rating (環境番 付?)」をつくるべきでしょう。 NetWinder や uCsimm のような装置は、大き さや消費電力、機能などに鑑みて、高いポイントを得ることでしょう。 Telepolis (ドイツのコンピュータ雑誌) で、コン ピュータの製造過程で消費される資源についての記事を読めます。 一般に、PPC CPU は x86 CPU より低消費電力です。 22. 付録 F - コンピュータ関連のエコ・マーク 今のところ、この小さなリストしかありません: TCO, DPMS または Energy Star Blauer Engel (ドイツ), Energy Label - Group for Efficient Appliances (GEA). 23. 付録 G - その他のオペレーティング・システム 23.1. DOS 個人的に驚いたことに、古い 286 PC を役立つものにしてくれるツールがまだ 数多くあります。 286 用のツールを Simtel.Net で探し始めたんですが、便利なシェアウェアがいっぱいありました。例えば: o MS-DOS コンピュータ向けフル機能の LAN. 286 以上が必要 o オフライン機能付きメールソフト RoseMail, 8086/286 の実行ファイル o 286 から 586 向けのマルチタスク・マルチユーザ環境 フリーの DOS なんかもあります。The OS Developers Homepage を参照。 23.2. MS-Windows 電力節約ユーティリティ CPUIDLE があります。もう一種 類、MS Windows NT の古いバージョン向けのもの: Niteskate . 24. 付録 H - リサイクル業者の URL o REMEDIA - ドイツ - データ記録メ ディア (CD, フロッピー, テープ) のリサイクル o ALCAD - ワールドワイド - Ni-Cd バッテリのリサイクル会社。 o CD-COLLECT - CD のリサイクル。 o Rechargeable Battery Recycling Corporation RBRC はニッケル・カドミウム (Ni-Cd、ニッカド) 充電池のリサイクルを 推進する、非営利の公益団体です。 o The European Portable Battery Association (EPBA) は、携帯型電池を製造、販売、配布しているヨーロッパの企 業の団体です。 EPBA の目的は、ヨーロッパにおける携帯型電池産業の責 任ある発展に理想的な状況を造られていることを保証することです。 EPBA は、そのメンバーすべてに共通する利害を通し、増大する複雑な市場情勢 において、競争的な産業が持続することを狙いとしています。 o Battery Council International は、 鉛・アルカリ電池産業への国際的な関心を高めるのが目的の非営利の団体 です。 Battery Council International (BCI) は世界中に 175 以上もの メンバーを持ち、鉛・アルカリ電池の製造業者やリサイクル業者、マー ケット担当者や販売業者、原料と設備の供給者、そして工業コンサルタン トを結び付けています。