X Window SystemはUNIXシステムでのグラフィカルユーザーインターフェースの 強力な環境です。XFree86はMIT X Window System からの修正版でフリーで公開され ています。
Chinese X(略してCXWin)はX Window Systemで中国語を表示できるようにするための XFree86のパッチです。創立者は srleeです。 CXWinは現在BIG5コードのみサポートしていてまた中国語のポップアップメニュー (ウィンドウタイトルやウィンドウマネージャ、アプリケーションでの中国語表示) を実現しています。
CXWin 3.3は以下のftpサイトから入手できます:
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/X/Xserver/CXwin/3.3/
XFree86 3.2を使っているなら、バージョン3.2のLinux ELFフォーマットが入手でき ます。
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/CXwin/binaries/
必要なものは対応するXサーバを入手することです。例えばビデオカード
がXF86_SVGA
に対応しているなら、XF86_SVGA.gz
を入手します。
XF86_SVGA.gz
はほとんどのビデオカードで適切に動作するでしょう。
rpmが使えるならrpmのCXWin 3.3.1最新版も入手できます:
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/X/Xserver/CXwin/3.3.1/
XFree86のソースを入手していてユーザー自身がバイナリファイルをコンパイルする 場合のパッチが同じ場所にあります。
CXWin 3.3を選んだ場合は以下のsharedライブラリがあることを確認して下さい
(ldconfig -p
を使って調べられます):
libm.so.5 => /lib/libm.so.5.0.6
libdl.so.1 => /lib/libdl.so.1.7.14
libc.so.5 => /lib/libc.so.5.3.12
CXWin 3.2を選択したならlibc バージョン5.2.18以降を使って下さい。
まずgzipで圧縮されたファイルを展開します。
# gzip -d XF86_SVGA.gz
rootでオリジナルのXサーバを保存しておきます。
# cd /usr/X11R6/bin
# mv XF86_SVGA XF86_SVGA_BACKUP
展開したCXWinを適当な場所に置いてシンボリックリンクをはります:
# mv /tmp/XF86_SVGA /usr/X11R6/bin
# chown root.bin XF86_SVGA
# chmod 4755 XF86_SVGA
# ln -sf XF86_SVGA X
rpmを選べば作業はとても簡単でコンパクトです。
# rpm -Uvv XFree86-SVGA-3.3.1-1c.i386.rpm
CXWinは動作させるのに4つのBIG5フォント(taipei15
, taipei16
, taipeik20
, taipeik24
)を必要としています。これらの中国語フォント
を次の章の方法にしたがってインストールして下さい。
たぶん中国語フォント(GBフォント)をすでにインストールしていると思います。 以下のようにして確認できます:
# xlsfonts | grep gb
-cclib-song-medium-r-normal--0-0-72-72-c-0-gb2312.1980-1
-cclib-song-medium-r-normal--16-160-72-72-c-160-gb2312.1980-1
-isas-fangsong ti-medium-r-normal--0-0-72-72-c-0-gb2312.1980-0
-isas-fangsong ti-medium-r-normal--16-160-72-72-c-160-gb2312.1980-0
-isas-song ti-medium-r-normal--0-0-72-72-c-0-gb2312.1980-0
-isas-song ti-medium-r-normal--16-160-72-72-c-160-gb2312.1980-0
-isas-song ti-medium-r-normal--24-240-72-72-c-240-gb2312.1980-0
hanzigb13fs
hanzigb13st
hanzigb16fs
hanzigb16st
hanzigb24st
最後の5つのフォントは前に作った5つのエイリアスです。 インストールされているBIG5フォントをチェックするために:
# xlsfonts | grep big5
-kc-kai-medium-r-normal-fantizi-0-0-75-75-c-0-big5.eten.3.10-1
-kc-kai-medium-r-normal-fantizi-20-200-75-75-c-200-big5.eten.3.10-1
-kc-kai-medium-r-normal-fantizi-24-240-75-75-c-240-big5.eten.3.10-1
-kc-ming-medium-r-normal-fantizi-0-0-75-75-c-0-big5.eten.3.10-1
-kc-ming-medium-r-normal-fantizi-15-150-75-75-c-160-big5.eten.3.10-1
-kc-ming-medium-r-normal-fantizi-24-240-75-75-c-240-big5.eten.3.10-1
-uw-ming-medium-r-normal-fantizi-0-0-75-75-c-0-big5.eten.3.10-1
-uw-ming-medium-r-normal-fantizi-16-160-75-75-c-160-big5.eten.3.10-1
-uw-ming-medium-r-normal-fantizi-20-200-75-75-c-200-big5.eten.3.10-1
-uw-songti-medium-r-normal-fantizi-0-0-75-75-c-0-big5.eten.3.10-1
-uw-songti-medium-r-normal-fantizi-20-200-75-75-c-200-big5.eten.3.10-1
-uw-songti-medium-r-normal-fantizi-24-240-75-75-c-240-big5.eten.3.10-1
これらのフォントをまだインストールしていない、もっとフォントを増やしたい 場合は:
ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/fonts/
のftpサイトで手に入ります。gb/bdf/
はGBフォントでbig5/bdf
はBIG5フォントです。
BIG5フォント, eb5-24k2.bdf.gz
, GBフォントをすでに入れていると仮定
します。はじめにすべきことはこれらのフォントのフォーマットを.pcf
に
変更することです。
# gzip -cd eb5-24k2.bdf.gz | bdftopcf -t > eb5-24k2.pcf
# gzip -cd gb24st.bdf.gz | bdftopcf -t > gb24st.pcf
# compress *.pcf
これらを/usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc
以下にインストールします。
# mv *.pcf.Z /usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc/
# cd /usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc
# mkfontdir .
以下2行をfonts.dir
ファイルに登録します:
eb5-24k2.pcf.Z -kc-kai-medium-r-normal-fantizi-24-240-75-75-c-240-big5.eten.3.10-1
gb24st.pcf.Z -isas-song ti-medium-r-normal--24-240-72-72-c-240-gb2312.1980-0
中国語ソフトウェアを使う時に入力の時間を少なくするためにこれらのフォントの
エイリアスを作ります。fonts.alias
ファイルに以下の2行を追加して
下さい:
gb24st "-isas-song ti-medium-r-normal--24-240-72-72-c-240-gb2312.1980-0"
taipeik24 "-kc-kai-medium-r-normal-fantizi-24-240-75-75-c-240-big5.eten.3.10-1"
次にXサーバにこれらのフォントを再読み込みさせます。
# xset fp rehash
以上がうまくいったら新しいフォントが使えるようになります:
# cxterm -GB -fn 12x24 -fh gb24st &
これらのフォントを別のディレクトリ(例えば/usr/X11R6/lib/X11/fonts/chinese
)に置くこともできます。
この場合は/etc/XF86Config
の"Files"に以下の行を追加して下さい。
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/chinese/"
次回Xを起動すると問題なくこれらのフォントが使えるようになっています。
lwjによって書かれたTTF2BDFプログラムがあります。これはWindowsのTTFフォント をBDFフォントに変換するものです。このプログラムは以下から入手できます:
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/TTF2BDF.EXE
これはWin32プログラムです。Windows 95 あるいは NTで実行します。
以下のステップはBDFをPCFに変更する手順です。これでフォントをXで使えるように なります(XでBDFを直接使うことができますが、BDFはサイズが大きくPCFを使った 方がよいでしょう)。
# bdftopcf -t < ming.bdf > ming.pcf
HBFをBDFやPCFフォントに変更することもできます。以下は変換ユーティリティがある ftpサイトです。
ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/fonts/utils/hbf.tar.gz
# hbftobdf ccfs24.hbf > ccfs24.bdf
# bdftopcf -t < ccfs24.bdf > ccfs24.pcf
他の優れたフォント変換プログラムは
ftp://crl.nmsu.edu/CLR/multiling/General/ttf2bdf-1.6-ELF.tar.gzで入手できます。
ftp://crl.nmsu.edu/CLR/multiling/General/xmbdfed-2.8.tar.gz
TaBEとB5LE(Big5 Locale Environment)はXで中国語を使えるようにしたlocaleに 基づくプロジェクトです。これらの設定が終了すれば、中国語の入出力で生じる 問題は全く解決されてしまいます。
TaBEの作者shawn氏は台湾の軍部(military service)に捕らえられ、TaBEのホーム ページは削除されました(恐いですか?)。そのためにこのプロジェクトはそれ以来 停止しています。
B5LEの作者はThinker < Thinker.bbs@bbs.yzu.edu.tw>氏です。しかし主なプラットフォームは FreeBSDです。誰かLinuxプラットフォーム上にB5LEをうまくインストールした方が おられたらご連絡下さい。関連ホームページは
http://ftp-cnpa.yzit.edu.tw/~thinker/B5LE/です。