本当にはじめて、ログインする前にどうしても知っておくべきことを書きます。 リラックスして、そんなに多くないから。
ファイル名.拡張子;バージョン番号
でしたが、
Linux ではバージョン番号はありません(これはかなり痛い制約です。
Linux での符番によるバックアップを参照してください)。
ファイル名は通常 255 文字以内、好きなだけドットで区切ることができます。
例えば、This.is_a_FILEname.txt
のように。
FILENAME.txt
と filename.txt
は別なファイルとして扱います。
ls
はコマンドですが、LS
は違います。
~
」で終るファイルはバックアップファイルです。
これはVMS のコマンドを Linux に置き換えたものです。
VMS Linux
---------------------------------------------------------------------
$ COPY file1.txt file2.txt $ cp file1.txt file2.txt
$ COPY [.dir]file.txt [] $ cp dir/file.txt .
$ COPY [.dir]file.txt [-] $ cp dir/file.txt ..
$ DELETE *.dat;* $ rm *dat
$ DIFF file1 file2 $ diff -c file1 file2
$ PRINT file $ lpr file
$ PRINT/queue=queuename file $ lpr -Pprintername file
$ SEARCH *.tex;* "geology" $ grep geology *tex
ディレクトリを含む他の例については以下で説明します。アクセス保護、所有権、その他の高度な話題などについては、 高度な話題の章を見てください。
[top.dir.subdir]
の形式となりますが、Linux では /top/dir/subdir/
の形式になります。
また、ディレルトリーツリーの先頭にあたるディレクトリをルートディレクトリ
と呼び /
で表し、その下に /bin
,/usr
,
/tmp
, /etc
などの他のディレクトリがその下に位置します。
/home
ディレクトリの下にはユーザ毎に用意された「ホームディレクトリ」
があります。例えば /home/guido
や /home/warner
のように。
ログインして、自分のホームディレクトリで作業しますが、これは SYS$LOGIN
と同じですね。
「~
」はホームディレクトリへのショートカットで、cd
~/tmp
と cd /home/guido/tmp
は同じディレクトリを指します。
.
で、これは現在のディレクトリ自体を指します( []
と同じ)。
もう一つは ..
で、親ディレクトリを指します( [-]
と同じ)。
別な例を示します。
VMS Linux
---------------------------------------------------------------------
$ CREATE/DIR [.dirname] $ mkdir dirname
$ CREATE/DIR [.dir1.dir2.dir3] $ mkdirhier dir1/dir2/dir3
n/a $ rmdir dirname
(if dirname is empty)
$ rm -R dirname
$ DIRECTORY $ ls
$ DIRECTORY [...]file.*;* $ find . -name "file*"
$ SET DEF SYS$LOGIN $ cd
$ SET DEF [-] $ cd ..
$ SET DEF [top.dir.subdir] $ cd /top/dir/subdir
$ SET DEF [.dir.subdir] $ cd dir/subdir
$ SHOW DEF $ pwd
アクセス保護、所有権、その他の高度な話題については 高度な話題を御覧ください。
.EXE
や .COM
のような拡張子
は不要で、好きな名前をつけることができます。
ls -F
で見ると、実行可能なファイルにはアスタリスク「 *
」がついています。
RUN
PROGRAM.EXE
や @COMMAND
じゃありません)。
警告:ファイルが実行パスにあることが不可欠です。通常、パスには /bin
,/usr/bin
,/usr/X11R6/bin
などが含まれています。プログラム
を作ったら、パスの通ったディレクトリに移してください。
(設定方法は
設定を御覧ください)
カレントディレクトリがパスに含まれていないなら、替わりの手段として、
フルパス指定でプログラムを実行することもできます。
例えば、/home/guido/data/myprog
や ./myprog
のように。
/OPTION=
の形でコマンドスイッチを指定しますが、
Linux では -switch
や --switch
のように指定します。
switch
は文字や文字の組合せ、または単語などです。
特に、多くのコマンドに共通の -R
スイッチ(再帰的に)は VMS で [...]
と同じ効果があります。
$ command1 ; command2 ; ... ; commandn
Linux をさらに使いやすくしているのが I/O リダイレクトとパイプなんですが、
VMS では扱いにくかったり、あるいはそれに匹敵するものがありません(最近の
DCL では リダイレクトとパイプをサポートしたようですが、残念ながら私はそのバージョンを持っていません)。
VMS でのリダイレクトは、コマンドのスイッチとして補助的にサポートされてい
るか(多くのコマンドにある /OUTPUT=
スイッチを思い出してください)、つぎのような面倒なやり方で実現できます。
$ DEFINE /USER SYS$OUTPUT OUT
$ DEFINE /USER SYS$INPUT IN
$ RUN PROG
Linux ではこんなに簡単になります。
$ prog < in > out
パイプは VMS では利用できませんが、UNIX では重要な役割を持っています。
これが典型的な例です。
$ myprog < datafile | filter_1 | filter_2 >> result.dat 2> errors.log &
プログラム myprog
はファイル datafile
を( <
を経由して)入力として取り込み、
出力はプログラム filter_1
の入力に( |
を経由して)渡されます。
プログラム filter_1
の出力は、再びプログラム filter_2
に渡され、
最終的な出力は ファイル result.dat
に( >>
を経由して)追
記されます。またエラー出力はファイル errors.log
に( 2>
を経由して)リダイレクトされます。
以上の処理はバックグラウンドで処理されます(コマンドラインの最後に &
をつけているため)。
より詳しい説明は
Examplesを御覧ください。マルチタスク処理、「キュー」などについては 高度な話題を御覧ください。
ここまでで Linux を試す準備ができました。ログイン名とパスワードを正確に入力し
てみてください。例えば、ログイン名が john
でパスワードが
My_PassWd
なら決して John
や my_passwd
などと入力し
ないこと。 UNIX は大文字と小文字を区別するのですから。
一旦ログインしたら、マシン名:$
のようなプロンプトが表示され
ることでしょう。プロンプトを変更したり、プログラムを自動的に実行させたい
場合は、.profile
や .bash_profile
などの「隠し」ファイルを修正しま
す。(
設定を御覧ください) これらのファイル
は LOGIN.COM
と同じ働きをします。
ALT-F1(ALT キーと F1 キーを同時に押します)、ALT-F2, ... ALT-F6 のどれかを押せば「仮想コンソール(訳注 : 以下 VC と呼ぶ)」を切り替えることができます。画面全体を使うアプリケーションが VC を占有しても、他の VC に切り替えることで作業を続けることができます。別な VC を開いてログインしてみてください。
X Window System (以下、X と省略)を起動できることと思います。
X は DEC ウインドウに似たグラフィック環境です。- 実際、DEC ウインドウは
X から派生したものです。 startx と打って数秒待つ
と、xterm
か それに似た端末エミュレータが起動し、ボタンバーも表
示されることでしょう(何が起動されるかは Linux の設定にもよりますが)。デ
スクトップをクリック(マウスの両方のボタンを試してくださいね)すればメニューを表示します。
X 環境でテキストモード(「コンソール」)にするには、CTRL-ALT-F1(コントロールキーと ALT キーと F1 を同時に押します)、CTRL-ALT-F2、... CTRL-ALT-F6 のどれかを押してみてください。コンソールから X に復 帰するには ALT-F7 キーです。X を終了するには、メニューの指示に従うか、 CTRL-ALT-BS を押します。
次のコマンドはホームディレクトリ内の全てのファイル(隠しファイルも含む)を 一覧します。
$ ls -al
ここで SHIFT-Page Up キーを押すと画面後方にスクロールするでしょう。
ls
のヘルプを見たければ、
$ man ls
とタイプしましょう。
「 q 」でヘルプ画面から抜けることができます。ツアーの最後に exit
で
セッションを終了しましょう。もし PC の電源を切るのなら、CTRL-ALT-DEL を
同時に押して、数秒後に電源を切ってください(決して Linux の稼働中に電
源を切ってはいけませんよ!ファイルシステムが壊れるおそれがありますから)。
すでに何らかの作業を開始しようと思われてる方、 高度な話題を見てからにしましょう。