この節では、アナログ入力あるいは CD-ROM から音声を録音するために、 Linux システム設定の基礎について述べます。
この節では、Redhat 5.2 が動いている Intel ベースの Linux システムを基 本とします。しかし、当然各ディストリビューションについて普遍的な記述で もあるはずです。著者は短期間で Sparc バージョンを動かせるでしょう。(も し他のハードウェア上でこの HOWTO を用いて成功したなら、私に連絡を取っ てください。)
当たり前ですが、前提条件はサウンドカードが動作していることです。これに ついては、Jeff Tranter が書いた優れた Linux Sound HOWTO を読むよ う勧めます。その後、Yoo C. Chung による良い読み物である Linux Sound Playing HOWTO を勧めます。上に挙げた HOWTO は両方とも、私ができ るよりもずっと優れた内容で、Linux でサウンドシステムを動作させる詳細に ついて扱っています。
[ 訳注 : JF プロジェクトによる日本語訳 Sound-HOWTO, Sound-Playing-HOWTO があります。]
まず、オーディオの設定をしてください。Linux Box へ音声を伝える方法 は複数あり、いくつかの共通の手法は以下の通りです :
オーディオ装置のライン出力と Linux Box のライン入力をつなぎます。多く のオーディオ装置にはライン出力端子があります。ライン出力レベルはオーディ オ装置が送り出す電圧および電流を規定している標準です。私の記憶が確かな ら、家庭用およびセミプロ用装置が 500mA で、プロ用装置が 750mA です。大 部分のサウンドカードの標準は 500mA でしょうけど、いくつかの新しいプロ 用オーディオ装置は高品位の標準に基づいているかもしれません。高水準の録 音をしない限り、たいした違いはありません。
通常、ラインレベル出力は HI-FI 装置をアンプに接続するために用いるので、 テープデッキ、チューナ、CD プレイヤー、DAT および MD プレイヤーは問題 なく接続できます。アナログレコードプレイヤーはより多くの問題があるかも しれないので、以下の更なる情報をご覧ください。
VTR から音声を高品質で録音できます。多くの VTR は音声のライン出力、 あるいはお使いの VTR に SCART ソケットがあるなら、そこからライン出力を 取り出せます。
[ 訳注 : SCART ソケットとは欧州で VTR や TV を接続するための PAL 規格に規定のあるコネクタです。(アナログ RGBマルチと同じ)角型の 21 ピン のコネクタで、1 個のコネクタの中に、ステレオ音声、コンポジット、そして Y/C (輝度/色) などの信号があります。このコネクタの付いたケーブル1本あ れば、VTRやTV間を迷わずに接続できるようになっています。NTSC 規格を採用 している日本や米国では、縁のないものです。]
アンプのテープ出力を Linux box のライン入力へ、Linux box のライン出力 をアンプのテープ入力へ接続してください。この作業は HI-FI アンプにつな がっている古典的なテープレコーダを、Linux システムで置き換えることを意 味します。テープへ入るライン出力で録音レベルを確認できます。
マイクはマイク入力へつないでください。マイクが発生する電圧はラインレベ ルより非常に小さく、マイクをライン入力へ接続しても何も録音できないでしょ う。
警告: この逆に、ラインレベル装置をマイク入力へ接続すると、 サウンドカードに損傷を与えるかもしれません。
アナログレコードプレイヤーはマイク入力へつなぎます。悲しいことに、現時 点で著者はこのことについて全く情報を持っていません。私の記憶が確かなら ば、レコードプレイヤーはマイク入力へ接続すべきで、低い電圧の音声を録音 することと似た仕組みを使っています。
音楽用キーボードおよびシンセサイザはライン入力へ接続すべきで、ギターは DI ボックス (Direct Injection : 信号をラインレベルへ変換するために使用 する) を経由してライン入力へ接続します。
サウンドカードへ何かを接続する前に、ボリュームが最小になっているかどう か確かめてください。マイクを使用するなら、マイクが切ってあるか、あるい はスピーカから離してあるかどうか、確かめてください。
CD-ROM から音声データを取り出すために Linux システムを設定することは、 かなり簡単です。
サウンドカードへ接続したスピーカやアンプを通じ CD-ROM で再生しているト ラックが聴こえるなら、それを録音するのは難しくありません。
システムに普通にログインし、ミキサープログラムを用いて、録音レベル を大きすぎず音がひずまない程度の、充分な大きさへ設定してください。通常、 筆者は耳で聞いて判断しているだけですが、しばらくすればればあなたも自分 の道具にちょうどいいレベルが分かってくるでしょう。
音源からエンコードする際には特に、不必要なすべてのサービスを停止するか、 シングルユーザモードへ移ることを勧めます。これは不要なサービスのない最 小限の状態で動かし、録音時におけるシステムの一時的な不安定要因をできる だけ少なくするためのものです。
著者は資源を独占的に使用して録音ができるよう SCSI ドライブを分離して設 定し、/mnt/mp3 として参照しています。性能向上を主目的として、SCSI ドラ イブを使っています。また、明らかなことですが、音声データを書き込んでい る際にディスクヘッドが突然他の部分へ飛んで行かないよう、専用のドライブ で録音すると良いでしょう。
複数のディスクを持つ Linux システムを設定する詳細については、Stein Gjoen による良い読み物である Multi-Disk-HOWTO が役立つでしょう。
[ 訳注 : JF プロジェクトによる日本語訳 Multi-Disk-HOWTO があります。]