仮想ディスクについて
仮想ディスクは、ディスクに似たストレージと入出力セマンティクスを持ち、連続した番号範囲の論理ブロックとしてオペレーティング環境に提供されるディスクブロックのセットです。仮想ディスクは、オペレーティング環境の視点から見て、物理ディスクによく似たディスクアレイオブジェクトです。
Sun StorEdge 6920 システムでは、システムをオペレーティング環境と見なします。
RAID (Redundant Array of Independent Disks) システムは、ファイルサーバー、ホスト、またはネットワークから、多数の小型ディスク上のデータを単一のアレイとして容易に使用可能にすることで、ストレージを提供します。RAID システムは、耐障害性とパフォーマンス向上のために 2 つ以上のドライブを組み合せて使用します。データスループットおよび可用性を決める要素の 1 つは、データがどのようにアレイに格納されるか、つまりアレイの RAID レベルです。
システムでは、トレイ内のディスクドライブが RAID セットとしてグループ化され、その RAID レベルに応じて仮想ディスクとも呼ばれます。ストレージアレイは以下の RAID レベルをサポートしています。
- RAID-0 - 複数のディスクにわたるデータストライプ化を提供しますが、冗長性は提供しません。パフォーマンスは向上しますが、耐障害性は得られません。
- RAID-1 - ディスクミラーリングを提供し、すべてのデータが別のディスクにコピーされます。RAID-1 では、データとミラーコピーに同じ容量のディスクを使用します。RAID-1 は、複数のディスクが失われた場合でも、これらが互いのコピーでなければ回復可能です。
- RAID-5 - ブロックレベルでデータストライプ化を提供し、ストライプのエラー訂正 (パリティチェック) 情報も提供します。これがシステムのデフォルト RAID レベルです。このレベルでの最小ドライブ数は 3 台です。
- RAID-5 では、優れたパフォーマンスと良好な耐障害性が得られます。パリティチェックは、RAID コントローラが情報をディスクにいつ書き込むかを指定し、パリティビットと呼ばれる冗長情報も書き込みます。ディスクが故障した場合、RAID コントローラは要求があると、パリティ情報によって失われた情報を再作成できます。パリティ情報は複数のディスクに分散しているため、ディスクのごく一部のみがパリティ情報に使用されます。そのため、使用可能な記憶容量の効率が向上します。
- 注 : 1 つの仮想ディスクで使用できるデータパーティションの最大数は 32 で、この数値より大きくしようとするとエラーメッセージが表示されます。
- ストレージプールと仮想ディスクの利用を決定するときは、注意が必要です。ストレージトレイが使用できる仮想ディスクは、最大 2 つです。したがって、トレイ内の 7 つのディスクを 1 つのストレージプールに割り当てていて、ディスクを 1 つ追加し、それを 2 つ目のストレージプールに追加した場合、ストレージプールを再構成するのでない限り、あとで空いているディスクスロットにさらに 6 つのディスクを追加することはできません。この状況では、ディスクを仮想ディスクとして使用することはできませんが、アレイホットスペアとして使用することはできます。
関連項目