外部ストレージ使用の計画
外部ストレージを管理する前に、以下のことを行う必要があります。
- 外部ストレージデバイスの専用構成ツールを使用して、外部ストレージデバイスに最低 1 つの論理ユニット番号 (LUN) が含まれていることを確認します。
- LUN は、システムの複数のポートにマッピングできません。
- LUN が存在できるコントローラポートは最大で 2 つまでです。
- マルチパスフェイルオーバーをサポートするには、LUN を外部ストレージデバイスの 2 つのコントローラポートで共有する必要があります。
- 外部ストレージデバイスのシステムへの接続方法については、『Sun StorEdge 6902 システムご使用の手引き』を参照してください。
- 外部ストレージデバイスがシステムに直接接続されている場合は、システムにマッピングされたすべての LUN が他のホストからアクセスできないようにしてください。
- 外部ストレージデバイスが冗長ファイバチャネル (FC) スイッチ経由でシステムに接続されている場合は、ゾーン化方式にする必要があります。ゾーン化についての詳細は、FC スイッチベンダーのマニュアルを参照してください。ゾーン化方式にする場合は、次の点を考慮してください。
- 外部ストレージデバイスの各コントローラが、システムのサービスパネルの 1 つのポートへの排他パスを持つようゾーンを作成します。システムに存在する LUN と同じ LUN に、ホストがマッピングされていないことを確認する必要があります。
- 次の図は、FC スイッチのペアによって、外部ストレージデバイスがシステムのサービスパネルに接続された構成の例を示しています。各 FC スイッチには、外部ストレージデバイスのコントローラからシステムのサービスパネルのポートへの、排他パスを持つゾーンが含まれています。
- 注 : そのスイッチにホストを接続できますが、システムにある LUN と同じ LUN にマッピングしないでください。また、そのシステムを含むゾーンにしないでください。
- 不要な外部ストレージデバイスをフィルタリングして除外するようなゾーンを作成し、管理できない LUN の数が「外部ストレージの概要」ページに表示されないようにします。
- システムの内部ストレージで、2 つ以上の仮想ディスクを初期化します。旧式ボリュームを作成する場合は、管理用としてシステムに 2 つの初期化済み仮想ディスクが必要です。旧式ボリュームを作成すると、その旧式ボリュームを削除するまで、システムの残りの仮想ディスクの最後の 2 つを削除または初期化解除できなくなります。
- システムは、外部ストレージデバイスの LUN 全体を旧式ボリュームとして指定します。旧式ボリューム 1 つに複数の LUN を指定することはできません。
「外部ストレージのインポート」ウィザードを実行するには、その前に決定すべきことがいくつもあります。
- ユーザーデータの保護方式を決定します。
- 外部ストレージデバイスの LUN にある既存のユーザーデータを保存する場合は、旧式ボリュームを作成します。この操作をすることで、システムはストレージを Raw ストレージとして使用し、既存のユーザーデータが上書きされなくなります。
- 外部ストレージデバイスの LUN にある既存のユーザーデータが必要ない場合は、システムが使用する Raw ストレージとしてストレージを指定します。この操作により、既存のユーザーデータが上書きされます。
- 旧式ボリュームを作成する場合は、使用環境で分かりやすい旧式ボリューム名を指定します。
- 旧式ボリュームまたは Raw ストレージの追加先となるストレージプールを決定します。
- 旧式ボリュームを作成する場合は、その旧式ボリュームを追加可能な旧式プールが一覧表示されます。旧式プールは旧式プロファイルによって定義されることで、その旧式ボリュームを管理でき、新しいボリュームに Raw ストレージとして割り当てられることを防止できます。ウィザードでは、旧式プール以外のプールに旧式ボリュームを配置できません。
- システムにはデフォルトの旧式プールが用意されています。また、自分で旧式プールを作成できますが、それが事前構成済みの旧式プロファイルで定義されている必要があります。カスタム旧式プロファイルは作成できません。
- 旧式ボリューム用のスナップショット予約スペースは、旧式プール以外のストレージプールに格納する必要があります。旧式ボリューム用のスナップショット予約スペースは、それが格納されたプール、つまり旧式プールの旧式ボリュームに割り当てられません。
- 外部ストレージを Raw ストレージとして指定する場合は、Raw ストレージを追加可能なプールの一覧が表示されます。このリストには、旧式プールを除く、システムのすべてのストレージプールが含まれます。システムは外部ストレージデバイスの LUN の属性を判定できないため、LUN の属性は一貫したものとし、Raw ストレージの追加を計画しているストレージプールのプロファイルと互換性を持たせる必要があります。たとえば、RAID-1 外部ストレージを RAID-5 プロファイルで定義されたプールに追加しないでください。
ウィザードの実行後は、次の点に注意してください。
- 旧式ボリュームの「ボリュームの詳細」ページの「追加情報」テーブルには、必ず仮想ディスクが 1 つ表示され、旧式ボリュームの作成元となった外部ストレージデバイスの LUN を表しています。「仮想ディスクの概要」ページの「管理」列には、システムで管理される LUN に「外部」というラベルが付けられます。次の図は、外部ストレージデバイスの LUN と、システムの旧式ボリュームの関係を示しています。
- 旧式ボリュームの作成後は、ユーザーデータにフルアクセスできます。データにアクセスするには、システムから提供される旧式ボリュームの WWN をマッピングする必要があります。
- 外部ストレージデバイスに接続するときは、サポートされる次のシステム制限を超えていないことを確認してください。
- システムは、旧式ボリュームを含めて 1024 のボリュームをサポートします。
- 各ポートは 128 の旧式ボリュームをサポートします。ただし、ポートで初期化済み仮想ディスクがアクティブな場合を除きます。
- 内部ストレージとは異なり、外部ストレージデバイスへのデータパスは冗長でない場合があります。そのため、システムと外部ストレージデバイスとの間のデータパスが使用できなくなると、データにアクセスできなくなることがあります。最善の方法は、システムと外部ストレージデバイスとの間に冗長パスを用意し、リスクを最小限にすることです。
- 注 : 外部ストレージデバイスへ接続が原因で発生した問題に対する診断機能は、システムに用意されていません。
旧式ボリュームまたは外部ストレージが使用不可となった場合は、次のことを行なってください。
- SAN が正しく構成されていることを確認する。
- ファブリックが正しくゾーン化されていることを確認する。
- 外部ストレージデバイスが、システムに正しく配線されていることを確認する。
- Sun プロフェッショナルサービスに連絡する。
SAN、FC スイッチ、およびゾーン化についての詳細は、『Sun StorEdge 6920 システムご使用の手引き』の該当する節を参照してください。
関連項目